ルーシーの塩梅

 りぶらぶのダンス競技に参加。結果は撃沈。いや、自爆と言った方が正しいかも。

 11月中旬まで、どっぷり仕事。約2週間で本番という超強行スケジュール。参加決定の時点で、曲すら決まっておらず。ルーティンが最終的に固まったのが、本番2日前。やる前から「無理だ!」と思っていたけど・・・。

 「それでも、やろう」と思ったのは理由がある。
 ルーシーが、この一年で心身ともに老けたからだ。

 とうにディスクは止めていたが、昨年からダンスも中止。ステップの練習をすると、帰宅後、足先を舐めることが多い。痛みが出ているのか?
 歩き散歩を増やしたのだが、歩様が老犬のものになってきた。歩幅が小さくなり、長時間を歩くと、頭の上下動が大きくなる。足の上げ下げも小さくなって、何かに飛び乗ろうとして、ずり落ちることもしばしば。
 ダマシダマシで、現在のルーシーに合った運動の量と内容を探ってきたつもりだった。しかし、それが必ずしも良い結果を生んではいなかった。

 また、好奇心・意欲を削ぎ、ルーシーらしい明るい表情が減ってしまった。
 ドッグスポーツを全面的に止めてしまうと、他のワンちゃんや見知らぬ人々に会う機会が減る。こういった出会いは、ルーシーにとっては、少なからず刺激になっていたらしい。ボーっとすることが多くなり、声をかけても反応が鈍い。集中力も持続しない。

 現在に照準を合わせると、可動性というか、ポテンシャルというか、ちょっと頑張れば広げられる能力まで、切り捨ててしまうことになるのだろうか?

 というワケで、今回は、『ボケ防止』ルーティンと相成った次第(爆)。現在よりも少し上のレベルを求める内容だ。塩梅を探る上では、失敗はつきもの。そう考えて決行することに。

 速いテンポの曲。短いスパンで動きを切り替える。といっても、飛んだり跳ねたりは一切ない。ポジションを変えてのウォークが中心。体より、頭に無理をさせたいからね(爆)。

 練習を始めて1週間が経たないうちに、まず、ルーシーの体に変化が現れた。後ろ足の筋肉がしまり、(た)に対して、しきりに揉めと訴えるように。肋骨回りも筋肉がつき、腰のくびれも大きくなった。

 この段階で練習は10分程度。足先の様子も見たかったから。幸い、足を舐めることは少なく、むしろ首を揉め、足を揉めと、やたらとマッサージを求めた。


 「何か新しいことをした方が良いかなぁ?」と思い立ち、簡単なステップのシークエンスを教えた。
 すると、ルーシーがイキイキした表情を見せるようになった。動きとともに「アウッ」という気合い(?)も入るように。ルーシーのモチベーションを維持する上では、場合によっては、既にできることを求めるよりも、新しいことに挑戦させることが大事なのかも。

 リハで、ある程度の手応えを感じたのだが、ステージに出た途端に、ルーシーはダメダメになってしまった。本番で最高のパフォーマンス(ったって、大したことないんだけどね 笑)が引き出せなかったのが残念だが、疲れがたまって動けなかったんだと思う。

 やはりゴリゴリやっちゃダメだ。逆にモチベーションが下がってしまう。モチベーションを維持させるためには、ある程度、成功を味わせてやらないと。ここらへんの塩梅も考えないとね。

 長々と書いてしまったが、端的にいえば、やっぱ「塩梅」が大事なんだろうと思う。

 犬に刺激を与え続ける塩梅。

 体と頭を使わせる塩梅。

 飽きさせない塩梅。

 モチベーションを維持する塩梅。

 それぞれの塩梅を、試行錯誤を続けつつ、見極めなくてはイカンのだろう。

 やれやれ、ややこしい年齢になってきたなぁ。

 それでも、ニカニカ笑っている時、ルーシーは充実を感じていたのだろう。
 また、笑顔が見られるように、ちょっと考えてみようかな?