腰痛

 腰痛。8月末以来、背骨の横辺りに鈍痛を抱えつつダマシダマシ。その後、悪化して骨盤の左関節まで痛むようになってきた。寝ていても痛むので病院へ。
 発端は、ルーシーの散歩。
 晩夏を迎えて、朝の散歩で猫に出会うことが多くなった。公園の砂場だけでなく、我が家の庭にまで糞をするので、ルーシーも縄張り意識が強くなっていたのだろう。猫の姿を見るたびに、吠えかかるようになっていた。
 (あ)が先に見つけられれば、あらかじめルーシーに注意を与えて、アテンションを取ってトラブルを回避もできる。それでも、仄暗い朝では難しい。ルーシーが、ニオイで先に見つけてしまうこともある。
 ある朝、いつものように散歩に出ると、生け垣の下に猫がいたらしい。目線の高さの違いで(あ)は全く気が付かなかったのだが、ルーシーは目ざとく見つけて跳びかかった。リードごと左半身を持って行かれそうになり、瞬間的に左足で踏ん張った。猫との衝突は回避できたが、腕が抜けそうな痛みを感じた。
 その時痛かったのは腕だったので、足腰には気に留めていなかったのだが、後になって尾てい骨辺りが痛んできた。
 夏場の散歩は、ほぼ歩きのみ。今年は湿度が高く、公園は雑草が生い茂り、蚊やダニ、メマトイも多かったので、ダンス・ムーブの練習も無理。(た)の盆休みを除き、7月から秋分まで、平日は(あ)が毎日最低2時間を歩き抜いた。すべてはルーシーの筋力と心肺機能の維持のため。
 秋になって、運動のウエイトを夕方にシフトし始めた。それでも、朝夕合計2時間の歩き散歩は変わらない。もはや湿布薬では、痛みが消えない。
 坐骨神経痛なんじゃない?」と(た)。しかし、骨盤左まで常時痛むようになり、仰向けだけでなく、横になって寝るのすら辛い。背筋の角度を変えると、コキと音がして、ピリピリという痛みまで走る。
 「こりゃ、医者に診てもらわないとダメだな」と判断。お友達の紹介で整形外科へ。
 先生は、(あ)のレントゲ画像ンを見て一言。
 「股関節のはまり方が、浅いですね」
 ルーシーと同じかよ!
 飼い主も、犬も、骨に異常があるペアって(笑)。
 症状の説明で痛む箇所が複数あると言ったら、お医者さんは、
 「原因は一箇所」とキッパリ。原因は仙腸関節だと仰る。模型で見ると、仙腸関節は、骨盤との間にわずかな隙間があるのだが、これがズレてしまっているらしい。
 仕事では長時間座っているし、原稿や文献などを確認するのに、腰をひねった状態で調べたりするし。
 仙腸関節がズレると、他の部分にストレスがかかり、別の箇所まで痛みが出るそうだ。
 とりあえず、仙腸関節の位置を手で直してもらったら、骨盤左の痛みが楽になった。ただし、尾てい骨横の方は、長期にわたって生じた症状だから、簡単には治せない。まずは湿布薬をもらって、2週間ほど様子を見ることに。
 施術後に、別の先生からケアの仕方を教わる。
 「1週間くらいは、違和感があったり、重だるい感じになったりするかもしれません」
 「座って仕事をされる場合には、30分くらいに1回は立ったりして、姿勢を変えてください。」

 ここまでは良いのだが。
 「痛みが完全に取れるまで、運動はしないで下さい」
  例に挙げられたプール歩行やストレッチや筋トレはともかく―――。
 「すいません、私は、犬の散歩で毎日2時間歩いてるんですけど・・・」と言うと、
 「・・・2、2時間ですか?」
 先生は、オドロキのあまり、引いてしまった。
 股関節形成不全の犬の筋力維持のために毎日2時間歩いて、飼い主が腰痛。
 そりゃ、理解できないだろうよ、フツー。
 主客が見事に違うわなぁ(笑)。
 でも、しょうがないんだよ。ルーシーとの約束だから。
 誰にも頼れないし、自分が頑張るしかないんだもん。