3つの余裕

 外出して帰宅すると、留守電が入っていた。相手は(あ)の実母。連絡すると「アンタに頼みたいことがあるのよ」。自分の友人が保護犬を迎えたのだが、シツケに困って精神的に参っていると。
 訊けば、7ヶ月の小型犬で、人の姿が見えなくなると吠えるらしい。直接お話しをして、A先生を紹介することにした。
 分離不安がひどいのと、精神的なストレスが体に出てしまうタイプ。車に乗せると、恐怖のあまり身体が硬直して泡を吹くらしい。そこは、少々問題かなぁ。一発で治るものではないだろう。
 一方、人間は好きらしいし、他の犬とも仲良くできるとか。
 なんだ、ルーシーより、随分良い子じゃん(爆)←(あ)の心の声
 多分、新生活が始まったばかりで飼い主さんとの関係が浅く、これまでシツケを受けていないだけかと。
 やって良いこと、悪いことを犬に理解させて、関係が深まれば、状況が改善するんじゃないかな?時間が解決してくれるような印象を持った。

 どんな犬でも、人間と一緒に生活するのであれば、人間が犬と向き合って、互いに互いを知ることは不可欠だ。それには時間が必要だ。そして、その時間を楽しめる余裕も。金銭的、肉体的、そして精神的な余裕。3つの余裕のうち、一つでも欠けると難しいように思う。今回のケースは精神的なので、A先生がサポートしてくれたら大丈夫だろう。

 先日、ディスク大会に足を運んだ際、何人かのお友達に「ルーシーのところは、2匹目を飼わないの?」と訊かれた。(あ)が、10歳を超えたルーシーとベッタリの生活をしているのをご存知で「ルーシーがいなくなったら、コイツは絶対ペットロスになる」と思って、そう言ってくれるんだろうけど。

 でも3つの余裕を考えると、難しいかなぁと思うのだ。将来、親の介護が待っていると思うとね。これは、未知の領域。親が今まで元気でいてくれた分、自分が子どもとしてできることをしたいと思うし。

 いつかルーシーがいなくなって、なお自分に3つの余裕があれば、大人の保護犬を迎えたいと思う。その時は「お互いに、これまで頑張って生きてきたねぇ」と、今度こそ、いたわり合える関係(笑)を、その犬と築きたいと考えている。