クッキーちゃん

 今日も、ルーシーはF田公園でクロちゃんと取っ組み合い。どのワンちゃんよりも早く公園に到着し、公園を出たのは一番最後。都合1時間半近く公園にいたことになる。ただし、この間、取っ組み合いを続けた訳ではなく、途中、疲れたルーシーは、腹這いになって休んだり、他のワンちゃんや飼い主さんにすり寄ったりしていたけれど。F田公園は、ルーシーにとって道場破りの道場みたいなもので、本人が「頼もう」と言っているかどうかは不明だが、出会ったワンちゃんで遊ぶ気のある子には、全員相手になってもらっている。
 それでも相手にしてくれないワンちゃんもいる。ラブのクッキーちゃんもその一人だ。クッキーちゃんは、他の犬に興味がない。クッキーちゃんの興味対象は、ボールだ。少し小さめのサッカーボールを飼い主さんが蹴ると、クッキーちゃんは一目散に取りに行く。そして、飼い主さんが他の人とおしゃべりに興じて、ボールをなかなか蹴らないと、吠えて催促する。しかし、飼い主さん曰く「クッキーはギャラリーがいないと真剣にならない」そうだ。ギャラリーが、一生懸命に走るクッキーちゃんを見て、「エライねぇ」「賢いねぇ」「すごいねぇ」と言うのを、ちゃんと聞いているらしい。そして、周囲に他のワンちゃんがいると、ボールを取られまいと、全力でダッシュするそうだ。レトリーバー気質とプライドにかけて、自分のボールを死守しなければと思っているのだろう。かと思えば、他人のボールじゃないと追いかけないというワンちゃんもいる。家では自分のボールで遊ぶのに、外では他の子のボールの方が魅力的に見えるらしい。自分のボールを取られたワンちゃんも、文句を言うでもなく、また他のワンちゃんのボールを取りに行く。ボールを巡る不思議なルールがあるようだ。
 コーギーのモモちゃんは、上下関係にうるさい。自分より後で公園デビューをした犬には、吠えて威嚇する。「私の方が先輩なのに、挨拶がないじゃない!」ということらしい。相手の犬が、モモちゃんより小さかろうが大きかろうが、そんなことは関係ないらしい。特にルーシーは目の敵にしている。というのも、モモちゃんのお姉ちゃん達が、ルーシーを可愛がってくれるからだ。「挨拶もしない上に、私のお姉ちゃん達を奪って許せない!!!」ということか。吠えられた側のルーシーは、「なんで?」という顔をして、相手に近づこうとしない。
 モモちゃんとルーシーの仲を取り持つべく、不肖、飼い主である私が「姐さん」に挨拶に行く。モモちゃんは、私にはフレンドリーなんだけどなぁ。足下から飛びついて「なでれ」と催促する。「はいはい」と応えていると、モモちゃんのお姉ちゃん(睫が長い可愛らしい女の子二人)が「ルーシーが早くでっかくなって、モモをガブッと噛んでやったら良いのに」「おばちゃん、蹴飛ばしても良いよ」などと言う。どうも姉妹は、種を超えて、互いに批判的な目を持っているらしい。
 
 

 



クッキーさん

モモさん 「お尻がクリームパンみたい」と、クロちゃんのお母さん、ホントだ。モモさんのお姉さんと。
 

ワンワン大集合。