ケリーちゃん

 ビーグルのケリーちゃんは、とても賢い。おやつをくれる人を知っていて、猛烈にアタックする。それだけなら、ルーシーも賢いことになるが、ケリーちゃんはそれだけではない。彼女は、おやつがないと分かると、その人に対する興味をいっぺんに失う。ルーシーは、おやつがもらえなくても、撫でてもらおうと地面にひっくり返る。だから、ケリーちゃんの飼い主さんは「すいません、いつもカツアゲして」と仰っていた。
 ケリーちゃんの賢さは、それだけではない。女の子のくせに足を上げて小をするそうだ。なんでも、オス犬と育ったから「見て覚えて、マネをしている」らしい。
 見て覚えても、マネできることと、できないことがあるだろうに。エサの時間なんかは覚えられそうだけど、排泄は自然の欲求が体を動かすだろうから、そこで「足を上げて」などと考えているヒマはないんじゃないの?
 オス犬は子供の頃、メス同様に座って用を足す。しかし、大人に近づくにつれ、小の時、足を上げるようになるそうだ。これはマーキング本能が養われるとともに現れる行動なのだとか。だから、早い時期に去勢すると、メスのように座って用を足すクセが抜けないらしい。ふーん、そうなんだー。
 ルーシーは小の時、自分の足が濡れるのがイヤで、上り坂で用を足す。少しだけ片方の足を路面から離している。庭で用を足すと、その部分の地面を通るとき、わざわざピョンと飛び越える。ケリーちゃんやオスのやり方を見て覚えたら、そのうち足を挙げるようになるのではないだろうか。頼むから止めてね。