クッション

 ルーシーにとって、与えられる物はエサかオモチャでしかないようだ。寝具というアイディアはないらしい。ま、分かっていたことなんだけど。
 インド綿のバスマットがボロボロになったので、(あ)が2枚つないで、クッションカバーを作り、取っておいた梱包材を入れて、クッションを作った。そろそろ寒くなるので、抱っこして寝れば暖かいかなと思ったのだ。長さはルーシーの胴の長さくらいある。ストレスがたまったときに、マウンティングして解消できるかもと思った。
 予行演習で(た)の枕カバーを与えたことがあったが、これは見事に食いちぎられ、その破片が翌日の大と一緒に出た。その後、100円ショップで(た)が購入したクッションカバーに梱包材を入れて渡したところ、あろうことかファスナーの金具を囓り割ってしまい、梱包材を食べようとしたので、結局取り上げた。今回のは、綿といっても、かなり厚いし、ファスナーもないので自信作だった。おまけにルーシーがよく噛みつく、角の部分は内側に織り込んで、噛みついても引き出せないようにした。完璧!
 予想どおり、ルーシーは、与えられた直後、クッションをくわえて振り回していた。ま、ここまではいつもと同じ。(あ)が「ふふん、かみ切れまい」と思って見ていたら、ルーシーはクッションの真ん中に噛みついて、3分後には穴が開いていた。
 見れば、カバーに血が付いている。歯茎から血が出るまで噛みついたらしい。そこまでやるか? 
 言っておくが、作ったのは裁縫が大の苦手の(あ)である。ちなみに車の運転やアイロンも苦手なんだけど。帰宅後に(た)に報告したところ、ルーシーに向かって「お母さんがわざわざ苦手なことをやったら、おそろしいんだぞ。お父さんなんか背筋が凍るんだから」と言っていた。その通りなんだからな!グスン、覚えてろ!