ササミ

 昨日のしつけ教室で、U先生に「ルーシーは『おいで』が苦手で」と話したところ、今日のプライベート・レッスンでササミを用意するように指示された。
 ルーシーは、フードを用意すれば、自宅の庭でも「おいで」がなんとかできるのだが、そうでなければ(あ)の指示を無視する。耳はこっちを向いているのに、聞こえないフリをすることもしばしばだ。「おいで」ができなくても、自宅では問題ないが、家の外となれば、できるのと、できないのでは雲泥の差がある。
 特に、公園で取っ組み合いに夢中になり、興奮のあまり、噛み技の応酬が激しくなったら、「おいで」を使って呼び戻しをしなければならない。現在の対戦相手は、皆しつけの行き届いたワンちゃんばかりなので、まず問題にはならない。しかし、これから若いワンちゃんが来れば話は別である。やはり、「おいで」くらいは、覚えさせておかなければならない。
 公園のように興味をそそるものが溢れている場所では、ルーシーにとって、飼い主に褒められることなぞ、大して嬉しくないのだろうか?U先生の「おいで」の定義では、「呼ばれたら、主人のところに一目散に来ること」らしい。ルーシーの場合、よしんば来たとしても、キョロキョロしながらテクテク歩いてくる。本人の表情を見ると、「しょうがないなぁ。他に面白そうなものもないし。いい加減飽きてるけどフードをもらおうか」てな感じは否めない。
 ササミをゆがいて、小さく切る。日頃のルーシーを見ているだけに、そんな単純なもので大丈夫なのかと疑問だったが、効果は大きかった。普段ドライフードを主に食べているルーシーにとっては、ササミはごちそうらしく、大好きなルイちゃんを見ても「おいで」と指示すると、走って戻ってきた。ただし、あまり多用すると「ありがたみ」が減ってしまうそうで、一回に3個くらいを限度にしないといけないらしい。
 ダークサイドの住人であるルーシーが、理性を取り戻し、飼い主の言うことに従うには、「美味しいごちそう」しか手はないらしい。今週は「ササミで呼び戻し」週間にしよう。