公園デビュー

 夕方F公園に行くと、初めて見るワンちゃんがいた。1匹は柴で5ヶ月、もう一匹はシュナウザーの赤ちゃんで3ヶ月である。そろそろ秋生まれの赤ちゃんたちが、公園デビューを果たす頃なのだろう。
 柴の鈴(すず)ちゃんは、やんちゃな盛り。ルーシーを見るや、遊んでと誘う。芝生の上を走り回るが、体格も体力もルーシーの方が上なので、すぐに転がされてしまう。相手を傷つけないように、(あ)は遊びの途中でルーシーを何回か呼び戻して冷静さを取り戻させ、また遊びに戻す。相手の飼い主さんを不安にさせてはいけないので、大きな声では言えないけれど、(あ)は密かに「戻ってきてくれて良かった〜」と胸をなでおろしていた。
 鈴ちゃんは劣勢になると、初めはお母さんの元に逃げ込んでいたが、そのうち、なぜか(あ)の足の間に隠れるようになった。どうやら虎の威を借りて、ルーシーの攻撃をかわそうと考えたようだ。なかなか賢い。鈴ちゃんのお母さんは「(鈴ちゃんが)あんなに走っているのを初めて見た」と仰っていた。懲りずに、また遊んでやってください。
 ルーシーとアデルちゃんが追いかけっこをしていると、シュナウザーの赤ちゃんが参戦し、2匹を追いかけ始めた。なかなかに強気なのだが、ラブの成犬であるアデルちゃんが「一緒に遊ぶ?」と近づくと、途端に「やばい〜!」と逃げ出して、飼い主さんの腕に逃げ込んでいった。電気仕掛けのぬいぐるみのように、一生懸命走っている姿は、本当に可愛らしい。
 ルーシーは鈴ちゃんはともかく、シュナウザーの赤ちゃんについては、取っ組み合いをする気にはならなかったようだ。臭いを嗅いで、非常に困惑した表情で(あ)を見る。また、このところルイちゃんが遊んでくれなくなった。ルーシーの体が大きくなって、相手をするのがうっとうしくなったのかな?
 いつまでも自分が子供でいられると思って、他のワンちゃんに一方的にお世話をしてもらう訳にはいかないの。今度は、アンタもお世話する番なのよ。