文句タラタラ

 気温は真冬並みまで冷え込んで、みぞれ混じりの雨が降る。こんな一日はホットカーペットにへばりついて、ウダウダと過ごしたいものだ。犬の先祖であるオオカミは、天気が悪いと、巣穴の中で用も足さずに一日を過ごすと言う。しかしルーシーは、家の中ではなかなか用を足さないので、散歩に連れ出さないといけない。
 こうなると、散歩は天気を見ながらになる。時間は別に決めていないが、ルーシーの散歩は1日3回。朝の散歩では途中でミゾレが激しくなり、本人も用を足そうと構えるものの、結局あきらめて再び歩き始めてしまう。用を足すときは、それなりに神経が集中できることが前提条件らしい。昼近くに小降りになったのを見計らって、外に出る。ルーシーも急いで用を足していた。
 玄関を出た途端、地面が濡れていると、足を踏ん張って「イヤや。行きたくない」と訴える。こちらは、お父さんが100均で買ってくれたTシャツとレインコートを着せ、できるだけ本人が濡れないように配慮しているつもりなのだが。大体、誰のための散歩だと思っているんだろう?私らは毛皮を着ていないんだからね。
 帰宅すれば「お母さんのせいで濡れたやんか〜」と、頭を(あ)の足にすりつけて訴える。散歩中に泥がはね、お母さんの足も汚れているんだっつーの!結局、濡れタオルで泥のついた部分を何度も拭いて、汚れを落とすことになる。毛足が長いので、これはなかなか大変な作業だ。シャンプーで洗い流せれば簡単なのだろうが、ルーシーは大のシャンプー嫌い。従って、肉球の間に生えている毛を、タオルでこすって、汚れを落とさないといけない。ルーシーときたら、長時間仰向けの姿勢で抱かれ、肉球をわしづかみにされているのが不満らしくて、唸ったり、タオルに噛みつこうとする。
 誰のための散歩なんだろう。本当にタメイキがでちゃうよ。