ブランコ

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 短時間ではあるが、ルーシーを昼間散歩に連れ出している。用を足させるだけの散歩なのだけど、ルーシーは学校に行くのが好きなので、ついでに近所を一回りしているのだ。学校のグラウンドでは、昼休みに子供達がサッカーボールを追いかけ、授業中は先生の笛の合図で走っている。こちらは学校の敷地には入れないけれど、ルーシーは柵の向こうから「良いなぁ。みんな楽しそうだなぁ。」と羨望の視線を送っている。犬の知能はせいぜい人間の2〜3歳どまりだそうだから、ルーシーは入学できないだろうけどね。

 この町には、さまざまな規模の公園があり、昼間の散歩では小さな公園を2つ3つ回る。1つ目の公園は池の近く。遊歩道が池の周囲をめぐり、この公園につながっている。ここでは時折ネコに出会うが、ルーシーがうろたえて硬直している間に、大抵は相手に逃げられてしまう。
 1つ目の公園には、ブランコと滑り台の遊具が備えられている。ふと思いついて「ルーシー、ブランコに乗ろうか?」と言ったら、素直に付いてきた。ルーシーを抱っこして座り、少しばかりブランコを揺らす。顔が見えないので表情は分からないが、じっとして耳だけがピクピク動く。風の音を聞いているようだ。
 実を言うと、ルーシーは仰向けに抱かれるのが好きではない。時折、誰がボスかを忘れて、(あ)に唸ることもある。お腹を見せるのは服従心の表現だそうだから、こっちをバカにしているのだろう。
 ブランコに乗っている間、怖くてじっとしているのかと思ったが、2つ目の公園では自分からブランコへとまっしぐらに進む。あれ、ルーシーはブランコが好きなの?仰向けに抱っこすることになるけど、ブランコに乗れるなら良いの?新しいことをするたびに、発見がある。
2つ目の公園からの帰り道、クリスマスのイルミネーションや飾りを付けたお家を見つけた。ルーシー、今度はピカピカを見に来ようか?