ルーシーは生後9ヶ月を迎える前に、反抗的な性格が強くなってきたようで、「イヤだ」という気持ちを、露骨に態度で示すようになった。
 一番多いのは、体を縮めて尻尾を下げ、上目遣いでこちらを見る。ジェントル・リーダーやリードを着けようとすると、ルーシーは「散歩には行きたいんだけど、それはヤダ」と抗議する。一方、極端な例は、鼻に皺を寄せ、唸り、手を噛もうとすることで、こちらが仰向けに抱いたり足を触ったりする時に、こういう態度をとる。散歩から帰宅すると、仰向けに抱いて足を拭くのだが、ルーシーは毎回うなり声を上げる。
 ルーシーが許せないレベルのイタズラや間違いをしでかした場合、(あ)はルーシーを仰向けにして、首根っこを押さえつけて、目を見て大きな声を出す。尻尾を股の間に挟んで、ルーシーが「ごめんなさい」と言うまで怒る。先日ルーシーが沼に入った時、(あ)は相手の体を捕まえて、自分が泥だらけになりながら、叱りつけた。ただし相手は逆ギレすることもあるので、根本的な解決とは言えない。
 U先生に相談すると、「力で押さえ込むのは、良くない」とのこと。(あ)にとっても、いつまで自分がルーシーを力で圧倒できるか疑問だし、力で言うことをきかせる事自体も、後味が悪い。
 という訳で、懐柔策をとることにした。足を拭く前に「ルーシー、『ウーッ』って言わなかったら、良いものをあげる」と言いきかせ、終わったら、おやつを与えることにしたのだ。
 結果は、まずまずだ。ご褒美がもらえるとあって、ルーシーは雑巾から顔をそむけながらも、我慢している。時々タメイキをついたり、「う」という声は出すけれど、静かに抱かれるようになった。
 夕方、この方法で足を拭きながら、(あ)が、「ルーシー、アンタこの頃、反抗的やな。そんな態度やったら、みんなに嫌われるで。大体アンタ乱暴やし、遊び相手もどんどん減っているやんか。ルイちゃんも遊んでくれなくなったやん。
今までは子犬やったから、みんな『しょうがないな』って見逃してくれたんよ。これからは、そうはいかんよ。」と、言いきかせていると、どこからか「スゥゥゥゥ〜〜〜」と音がした。・・・クサッ!
 ご褒美欲しさに唸ったり吠えたりできないものだから、「おなら」で抗議したのか?ホンマに失礼な奴っちゃー!!