今日は雨模様。夕方の散歩も前倒しにして出かける。当然のことながら、F公園には誰もいなかったので、今日は取っ組み合いもなし。ルーシーにとっては、少々不満かもしれないけど、我慢してもらう。
 散歩の間、グイグイとリードを引くルーシーも、今日は「引っ張らない」という言葉で振り返り、歩調を合わせるよう努めているように見えた。しかし、自分が好きな場所が近くなると(あ)の声も聞こえないようだ。ルーシーが好きな場所は、他のワンちゃんがいるところ、よく自転車が通るところ、階段などである。
 他のワンちゃんに会える場所はともかく、なぜ「よく自転車が通るところ」と「階段」が好きなのかは、(あ)には分かっている。
 ルーシーには、幼犬の頃から自転車や走る人を追いかけないように、これらを見つけるたびに(あ)を振り返ったら、フードを与えるようにしてきた。また階段では、特に下る時に途中で(あ)は「待って」と声をかけ、ルーシーが立ち止まったらフードを与えるようにしてきた。階段を一気に駆け下りないこと、飼い主と歩調を合わせることを教えるためだ。
 おかげで、ルーシーは今のところ自転車や走る人を追いかけることはしない。ただし、わざわざ自転車と遭遇する場所へ行こうとするようになった。また、ルーシーは階段こそ歩調を合わせるようになったものの、階段に向かって突進するようになった。確実にフードがもらえる場所へ行こうとしているらしい。
 ルーシーは、満面の笑みで(あ)の方を見ている。「お母さん、私、言いつけを守ったよ」とアピールしているのだ。相手は教えられたことを守っている訳だから、(あ)としてはご褒美を与え続けるしかない。ルーシーにとって、(あ)の言うことに従う上でモーティベーションとなるのは、褒め言葉をかけてもらうことや、頭をなでられることではなく、食べ物のみだからだ。我ながら「本末転倒だなぁ」と思うけれど、ルーシーのこんな笑顔を見るたび、相手を盛大に褒めてやろうと思っている。