お花見シュミレーション

 お花見のお誘いを受けて(あ)は考えた。ルーシーを連れて、お花見ができるのだろうか?という訳で、シュミレーションをしてみることにした。今日は天気が良かったので、ルーシーを近所の天神さんへと連れて行く。
 天神さんは、家から歩いて30分ほどのところにある。隣接する小さな公園には、桜や梅、椿などの木が植えられ、それぞれが花を咲かせる。特に桜の時期は、週末ともなれば、多くの家族や会社のグループが集まり、花の下でバーベキューやお弁当を楽しむ。境内に入る時点で、牛肉の焼ける美味しそうなニオイがするほどの盛況ぶりだ。今日は平日だったが、老人会のグループと家族連れが桜の木の下で会食をしていた。
 天神さんは、いつもの散歩ルートではない。途中にあるパン屋さんには、ルーシーも何回か行ったことはあるけれど、天神さんはお正月以来である。桜は、まだ蕾か咲き始めだったが、今週末にはたくさんの花を咲かせることだろう。
 まずは、お花見に欠かせない食べ物と飲み物をパン屋で購入し、天神さんに向かう。境内から公園に入るやいなや、ルーシーはリードを引っ張り始めた。多くの人が車座になって地面に座っているのを見たからだ。もちろん(あ)には分からないけれど、花見客が持参した食べ物の美味しそうなニオイでも感知したに違いない。
 とりあえずは、興奮状態のルーシーを落ち着かせるために、他の人たちから遠ざけて公園の外れに連れて行く。外れは日当たりが悪いのか、まだ桜が全く咲いていない。梅の花が散りかけていた。「この際、梅で良いや」と思いデジカメを構えるが、本人は全く落ち着いてくれない。お座りをさせても、「鳥さん、どこ行くの?」「みんなのところに行こうよ〜」「美味しそうな雑草、見っけ」と、直ぐに立ち上がってしまう。周囲に人がいなくても、この状態だ。たくさんの人が集まったら、興奮してガウガウ言ってしまうだろう。
 (あ)は、持参したお弁当や飲み物を味わう余裕もない。ルーシーが側でチョロチョロするので、ゆっくりと桜の花を観賞する気にもなれない。満開の桜をバックに、呵々大笑するルーシーを撮りたいと思っていたが、とても無理である。
 ルーシー、頑張って日本の心を学ぼうね。お花見の当日は、アンタにも美味しいドッグフード(いつもと同じ)を用意してあげるから。