(あ)のブルー・マンデー

 今朝は(た)が(あ)よりも一足早く起きて、ルーシーを起こした。(あ)が着替えた後、洗濯物をまとめ、二階から下りてきたら、ルーシーはいつもどおり、階段の下で尻尾をフリフリ「撫でて〜」と訴えている。側では(た)は苦笑と意味深な笑みが入り交じった妙な表情で、トイレシーツを持ってウロウロしている。それになんだかクサイ。「どうしたん?ウンしたの?」と訊くと、笑いながら教えてくれた。
 ルーシーは一階リビングに置いたクレートで寝ているのだが、人間の寝床は二階なので、クレートのドアは鍵をかけている。ちなみに水はいつでも飲める状態だ。人間は毎朝ルーシーを起こしてクレートから出し、廊下に連れ出す。廊下と洗面所にはトイレシートが敷いてある。ルーシーが用(たいていNo.1)を済ませたら、散歩の準備ができるまで、廊下に放しておくか、玄関先のサークルに入れておく。
 今朝(た)が一階に下りていくと、なぜかルーシーは玄関先のサークルにいた。クレートの鍵がきちんと閉じていなかったらしく、人間よりも一足早く起きたルーシーは自分で廊下に出た。待っていても人間が下りてこないので、敷いてあったトイレシーツ2枚でNo.1、No.2ともに済ませたのだが、どうも三回目の便意(No.2)をもよおしたらしい。普段なら自分が用を足している間、人間が監視し、使用済みのトイレシーツを直ぐに片づけてしまう。今朝に限っては、そうしてくれる人もいない。しかたがないので、ルーシーはリビングに戻り、先日(た)が購入した花ゴザの上で用を足してしまったらしい。
 「え〜、一晩中クレートの外に出ていたの?」と(あ)が訊くと、それはないと言う。理由を訊くと「ゴザの上のウンがまだ暖かかったから」という。リビングも廊下も洗面所も、自分の排泄物のニオイに満たされてしまい、イヤになったルーシーは玄関先のサークルで再びグウグウ寝ていたそうだ。
 ルーシーは最近になって、特に家の中では用を足すことが少なくなってきた。だから、トイレシーツで用が足せたことは、本来褒めてやるべきことだ。それに、キッチンには柵が設置されているけれど、ルーシーが寝た後に人間が出入りしていたから、半開きの状態だったはずだ。キッチンの奥にはドッグフードの袋やグリーニーズの箱もあるし、テーブルの上には、先日の法事で使ったお供え物のおさがりが置いてある。(た)によれば、それらには手をつけていなかったという。ルーシーは寝ぼけていたので、食べ物に手を出さなかったのかもしれないけれど。
 ただしルーシーがリビングでNo.2をやらかした場所が、(あ)の席のすぐ下だった。(た)は掃除したと言っていたけれど、自分でも除菌消臭剤を使ってゴシゴシとゴザを拭く。ルーシーが指示されなくても自分でトイレシーツに行き、きちんと用を足したのは正しいし、褒めてやるべきなんだろうなぁ。ただねぇ、想像するに、ルーシーはゴザのニオイをクンクンと嗅いで、「あ、お母さんの席はここだな。じゃ、やっちゃおう」とNo.2をやったような気がする。そう考えると、なんだか腹が立ってきた。
 半分正しいけど、半分促進したくない行為って、褒めるべきなんでしょうかねぇ。xxxフクザツxxx。