ボーダーに棒寒天

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 (た)が買ってきたオモチャは大半が囓られてしまった。ロープのオモチャも腕がもげてしまったし、ヘチマ・ボールも縫い目あたりからパックリ裂けてしまた。ディズニーの水に浮かぶオモチャも、(あ)が突起部分が一番少ないプーさんを選んでルーシーに与えたが、腕や耳が囓られた。囓るだけなら良いのだが、囓った破片を取り上げないと、ルーシーは食べてしまう。
 「食べたらダメじゃん」と言うと、ルーシーはうらめしそうな目でこちらを見上げる。取り上げられたことが不服らしい。それとも、自分がいけないことをしたことは分かっているけれど、止められないのか?
 大体そろそろ大人になろうっていうのに、オモチャと食べ物の区別がつかないなんて、どうなっとるんだ?だから、いつも監視付きで遊ばないといけないんじゃん。アンタは一人遊びができるワンコでしょ?なのに食べちゃうから、私がずーっと監視しないといけないんじゃん!
 実際、食べられない物を食べてしまうワンちゃんはいるそうだ。そして中には、そのクセが死ぬまで直らない子もいるらしい。たとえば、ボールやオモチャを飲み込んで手術を受ける子も。一回そういう失敗をしたら、「やれやれ、ヒドイ目にあった。もう食べないぞ」と思いそうなものだが、何度も繰り返しやってしまう子がいると聞く。こういう問題の矯正はどうしたら良いのかしら?
 先生や周囲の人にアドバイスを求めても、「う〜ん」と悩まれるか「うちの子は食べないからねぇ」と言われるかのどちらかだ。こんなおバカなヤツは、少ないのかも。
 良い矯正法が見つかるには時間がかかりそうなので、(あ)は考え方を変えることにした。食べられる物を与えよう!
 そこで思いついたのが「高野豆腐」と「棒寒天」である。両方とも固いので囓りがいがありそうだ。「かんぴょう」「切り干し大根」も考えたのだが、春以来、雑草を食べるクセがついたので、ますます草食癖を促進させてしまうかも。高野豆腐をあげるんだったら、食事で与えているオカラを止めてもいいな。ただし、ガリガリ囓った場合、粉になるから毛につくだろうし、後で掃除が大変そうだ。というわけで、今回は棒寒天を与えることにした。(た)に相談したら「今でもブリブリ大漁節なのに?」と言われたけど。
 ルーシーは棒寒天をくわえてみるものの、「何これ?」と不審そうな顔で(あ)を見上げた。(あ)が「要らないの?あっそ」と言うと、急いで口にくわえて隅の方へ行き、ちょっと囓ってみた。囓った破片を少し食べてみる。「ん?」という表情を浮かべた後、前足で棒寒天を支え、一心に囓り始めた。
 「溶けた寒天が歯や上あごにくっついてイヤな感じがしたら、食べるのを止めるだろう」と思って、しばらく見ていると、本人はあまり気にしていない様子。ペロリとたいらげてしまった。水をやったので、寒天が胃の中で膨らんだのだろう。お腹がいっぱいになって、すぐに横になり寝てしまった。
 雨の日は運動ができないから、おやつをあげるにもカロリーを考えないといけない。運動不足だと便が出るのに時間がかかる。棒寒天はカロリーがないし、満腹感を与えてくれる。便通にも効きそうだし、何よりもヘルシーだ。
 実際、夕方の散歩では、あまり歩かないうちに便が直ぐに出たらしい。さっそく寒天の効果が出たか?特に下痢をしたり、便に未消化の寒天は見られなかったそうだから、「おやつに棒寒天」は良いアイディアかも。