第二回全米チワワレースNY予選

第二回全米チワワレースのNY予選が行われたそうだ。実は、この大会の前に、ミズーリ州でチワワの幼犬を購入した飼い主が、病気の犬を売りつけられたと腹を立て、あろうことかワンちゃんの亡骸でブリーダーを殴り逮捕されるという、信じられない事件が発生していた。暗いニュースはともかく、このイベントは、ワンちゃんと飼い主に、概ね楽しい一日を演出してくれたようだ。

6月10日、リバーサイド・パークで、ニューヨーク市内に在住する175匹のチワワとその飼い主が集まり、「市最速のチワワ」の名誉をかけた戦いが行われた。優勝賞品は、サンディエゴで行われる決勝戦への旅である。人間2名、犬1匹の往復航空券およびペット用のベッド、食事用の皿、3日間のレンタカーを含む宿泊(2泊)である。参加者のワンちゃんの中には、自分たちはハンドバッグで充分だから、レンタカーは「豪華すぎる」という批判の声も上がっていた。

レースは、ワンちゃんの脱走防止のためフェンスを張り巡らしたコースで行われた。中にはレースの最中に、突然自分が何をしていたのかが分からなくなって、立ち往生するワンちゃんも見られた。大会の主催者からは参加者や周囲の人々に「なるべく音を立てないように」との指示が出されていた。見事に優勝を果たしたブードゥー(なんちゅー名前や!)は、数十匹のチワワが周囲にいても気にならなかったようだ。普段、ボーダーコリーやピットブルの友達と遊んでいるからだという。

およそ参加者たちには好評だったこのレースも、全く問題がなかった訳ではない。ある女性が連れてきたワンちゃんは、チワワとしては異常に大きな体格をしていたのだ。大会の審査員達は検討せざるを得なくなった。「あれはラブではないだろうけど、パピヨンじゃないかしら?飼い主さんはロングヘアのチワワだと思っていたようだけど。」

今日のスポーツ界ではステロイド使用が蔓延しているが、犬のドーピングも、このような競技会ではデリケートな問題となっている。人々は慎重に言葉を選びながら、この問題について話し合っていた。しかし、中には「ああ、バリー・ボンズのことだろ?そう、あいつは絶対おかしいぜ。飼い主は、あの犬にチワワが入っているって言ってたけど、もしかしたらチワワを昼食に食べたっていう意味じゃないかな?」というような参加者もいた。

飼い主に対して「チワワの飼い主にふさわしいのはどんな人?」と質問すると「非常に忍耐強い人」との回答が何人もの参加者から出された。「きちんとシツケをしなければ、ポケットサイズのピラニアを飼うことになっちゃうの。」「ボクの犬、ピーナツがそうなんだけど、チワワには、飼い主との固い絆と常に飼い主の注目が必要なんだ。」

最も有名なチワワの飼い主、パリス・ヒルトンについては「セレブがペットに良い家庭を提供できるのは素晴らしいことだけど、きちんとしたメッセージを伝えなければ意味がないわね」「チワワ はアクセサリーじゃないの。可愛いけれど、結局は犬なのよ」という意見が聞かれた。なお、ヒルトン嬢のチワワ、ティンカーベルは最近亡くなっている。

いろいろな問題や暗いニュースは別として、この日のイベントが発信したメッセージは明らかである。ブードゥーの飼い主の言葉がなによりも、それを語っている。「チワワは飼いにくい犬種かですって?そのとおり。手がかかるかって?もちろんよ。」