利き手、利き足

 昨夜のは、サッカー日本代表チームの涙雨?激しかったから「号泣」ということでしょうかね?
 朝早くから(た)がテレビを見ていたせいか、今朝のルーシーは寝ぼけていた。クレートのドアを開けても、奥の方に横座りしたままで、ボーっとこちらを見るばかり。(あ)が水と朝食の用意をしようと台所に入ると、ようやくクレートから出てきて、(た)に甘える。
 (た)が出勤の準備をし始めると、ルーシーはようやく(あ)のところにやって来る。これは甘えているのではなく、首筋を揉んでもらうためだ。「なんで、若いアンタを私が揉んでやらんといかんのよ。」と文句を言い手を止めると、ルーシーは「もっと!」と(あ)の足に自分の頭をグイグイ押しつけてくる。ハイハイ、わかりました。
 寝ぼけている間に着せてしまおうと、(あ)がTシャツを取り出した途端、ルーシーは脱兎のごとく廊下を逃げていく。なんだよー、寝ぼけたフリしとったんかい!
 ルーシーは、次にサークルの中に入り込み、角の部分に頭を下げて隠れるようにして、なんとかTシャツ着用を回避したいようだ。(あ)がTシャツを手に持ち、サークルの中に入ると、今度はグルグル回って逃げようとする。往生際の悪いやっちゃ!
 ルーシーは利き手、利き足という概念をなんとなく理解しているようだ。(あ)は右利きなので、サークルの中で、ルーシーは必ず(あ)の右肩後方に逃げようとする。「後方」というのは、右腕が届かないところということだ。そういや昔、ルーシーは(あ)や(た)のTシャツやズボン、ソックスを後ろから噛みついていたが、必ず左側だったなぁ。あれはルーシー自身が右利きだからだと思っていたけれど、実は(あ)や(た)が右利きだから、利き足(手)を傷つけないようにしていたのかも。
 羊を追い込むとき、ハンドラーはシープドッグに対して、時計回りまたは反時計回りに回れと指示を出す。右、左という言葉は分からなくても、方向の感覚を知らなければ、このような動きはできないはずだ。その基準は利き手、利き足ということかもしれないなぁ。
 ルーシーは(あ)の右肩に顎を載せて「これなら着せられないでしょ?」と、こちらを見ている。ふーん、いろいろ考えるもんだね。
 (あ)が玄関のたたきの方を見ながら「アレ?アレ、何だ?」と言ったら、ルーシーはつい隠れていたのを忘れて、「何?何?何のこと?」と身を乗り出した。その瞬間、ルーシーの頭にTシャツをかぶせる。
 ふっふっふー。バカめ。お母さんは確かに方向音痴だが、オマエをだますくらいの演技力はあるんだもんね。