あさぼらけのボケボケ

 犬は総じて早起きだと思っていたが、ルーシーは朝が弱い。クレートから出すと大体の場合寝ぼけていて、ドアが開いていても中でボーっと座り続けていることが多い。ようやくクレートのドアから出てきたと思ったら「眠いのに〜」と廊下を歩き、壁に体の片側をすりつけたかと思うと、バターンと床に倒れて、鼻から「フゥゥゥン」とタメイキを出す。そして、クレートから出してくれた人間に、とりあえず首筋を揉んでもらったら、足下に横になったり、「じゃ、もう一眠り」とクレートに戻ったりする。
 クウちゃんは5時半に起きているという。新聞屋さんのバイクの音で目が覚めるのかな?中には、高らかに声を上げて「朝だよ」と教えたり、起きた途端に「ご飯ちょうだい」と要求する子もいるらしい。
 ルーシーの場合、子犬の頃は、目覚めた瞬間からハイパーで、クレートがゴトゴト動くほど中で動き回っていた。なかなか出してもらえない時は、クレートの中で尻尾追いをして、吠えて「出して」と訴えていた。体が大きくなるにつれ、クレートの中で尻尾追いはできなくなったようだ。その代わり、ネボスケになった気がする。
 起きてからNo.1をするまでの時間も長くなった。家の中で用を足すより、屋外の開放感を楽しみたいのか。洗面所にトイレシーツを用意しても、人に見られながら用を足すことが少なくなった。(あ)が台所で作業したり、(た)がパンを食べているすきに用を足す。水を少し飲んで、またバターンと廊下に横になって、鼻からタメイキ。
 寝ぼけている間にTシャツを着せようとすると、ダッシュでクレートに戻って籠城する。そのくせ散歩の用意をしている(た)を見上げて、口が耳まで裂けるほど笑っている。なんだ、嬉しいの?
 このところ(た)の帰宅時間が読めず、(あ)は「お父さん、今日も遅いみたい。」と言って、ルーシーを寝かしつける。クレートに入れた後に(た)が帰宅すると、ルーシーはクレートの中で起きて、何やらゴソゴソする。「また、お母さんにだまされた〜!」と恨んでいるかもしれない。クレートの中から(た)に向かって「かまって光線」を炸裂させている。(あ)に注意されたせいか、(た)もよほどの事情がない限りは、クレートからルーシーを出すことはない。それでもルーシーは(た)にかまってもらえると期待して、起きて柵の向こうから相手を見つめているようだ。(た)が寝るまで起きているから、朝は寝ぼけているのかなぁ。