ルーシーにとってF公園とは

 駆け込み寺?コンビニ前?それとも、行きつけの赤ちょうちん
 いずれにしろ、ルーシーはこの公園に行くのが楽しみらしい。家の中では、悪さをすれば怒られて(あ)には頭が上がらない。ルールを破るとドヤされる上に説教される。飼い主は自由にさせているつもりでも、ルーシーにとっては、いささか窮屈なのかもしれない。
 F公園に行くと、ルーシーは自由を満喫できる。他のワンちゃんと走り回り、沼に入って泥んこになり、「フリスビーを持ってこい」と言われても無視してガジガジ囓る。他の飼い主さんには、飛びつきチューをお見舞いし、ストーキングをして、おやつをせしめる。家では食べられない物が食べられて、刺激がいっぱいの上に、やりたい放題でストレスが解消できる。「ビバ!F公園」と叫びたい気分なのだろう。
 F公園を利用し来るのを楽しみにするワンちゃんは、ルーシーだけではない。しかし毎日最低1回はここを訪れている間に、ルーシーの頭の中では、ここが"my turf"になってきたようだ。"turf"は芝生だが、ナワバリも意味する。
 今朝もフリスビーをしようと公園に行ったところ、芝生に見知らぬ男性がゴロ寝をしていた。(あ)は邪魔にならないように、この男性が寝ている場所から離れた、芝生の反対側の端でルーシーにフリスビーを投げていた。初めのうちこそ、ルーシーは一心にフリスビーを追いかけていたが、疲れとともに集中力が低下。側を通る人、他のワンちゃんに気を取られ始めた。
 (あ)が「他の人たちの邪魔になるし、そろそろ切り上げるか」と思った瞬間、ルーシーは、寝ていた男性の方に向かって走り出し、吠え始めた。それまでは、この男性の存在すら気づかなかったようなのに。
 「ルーシー、リーブ!!」(あ)は慌ててコマンドを出し、おやつを出してルーシーの注意を引こうとする。ところが、ルーシーは執拗に吠え続ける。まるで「ここは私のナワバリだ。出て行け」と言わんばかりだ。
 (あ)はこれには驚いた。最近、ルーシーの「知っているワンちゃんや人」と「知らないもの、ワンちゃんや人」に対する態度が大きく異なるようになった。知っている人に対しては、しつこいくらいに甘える。久しぶりに会ったクーちゃんに、ルーシーは体当たりを浴びせ、ガウガウ言いながらつきまとっていた。また、クーちゃんのお母さんに対しては、二度、三度と飛びつきチューを食らわせ、それでも興奮が収まりきらず、ガウガウ言いながら、自分の尻尾を追いかけて周囲を走り回っていた。
 その一方で、知らないものや人に対しては警戒し、ひどい時は敵意を示すようになった。肉球の間に延びた毛を切ろうと、普段はあまり使用しないハサミを取り出したら、ひどく警戒し歯を剥いた。サークルの中に追い込んだら、今度は角に頭を突っ込んで「私はいません」と言って見せた。昨日の朝、ピーター君とマイケル君と出会ったのだが、少し離れた場所で二匹に気が付いたため、それが自分の友達だとは思わなかったらしく唸って見せた。(ちなみに夕方、ママさんがピーター君を連れて来られたが、ピーター君と一緒に走り回り、ママさんには迷惑なくらい甘え放題だった。)
 これが我が家の中なら、まだ理解できる。相手は侵入者だからだ。しかし、ここは公園だし、相手は知らない人かもしれないけれど、何もされていないのに敵意を見せるのは間違いだ。二つの面で矯正が必要である。
 このままではF公園に遊びに行けなくなる。早急にどうにかしなければ。
 
公園のお友達の皆さん