オーソン

 以前 Jon Katz の"A Dog Year"という本をとりあげ、その中に登場するオーソン(旧名デヴォン)を紹介したことを覚えておられるだろうか? オーソンは、いわゆる「訳あり」のボーダーコリー。著者の元に引き取られた時点で成犬になっていたが、服従の姿勢が全くない困ったさんだった。

A Dog Year: Twelve Months, Four Dogs, and Me

A Dog Year: Twelve Months, Four Dogs, and Me

 著者は物心ついた頃から常に犬と生活し、オーソンを引き取った時点でもラブを2匹飼っていた。しかし犬を飼う上で、ラブとボーダーが飼い主に要求するものが、全く違うとは想像していなかったようだ。(あ)もボーダーコリーがエネルギーの塊で運動が必要であることは知っていたけれど、「ボーダーコリーは人間が仕事を与えないと自分で仕事を見つける−それも人間が歓迎しないような仕事を」ということは、ルーシーを飼って初めて知った事実である。この本では、ラブとの平和な共存とボーダーにふりまわされる生活が、ユーモアたっぷりに紹介されている。ワンコ自体より、飼い主に共感できることが多いのが魅力だ。
 "A Dog Year"の表紙には一匹のボーダーの顔。きかん気の強そうなワンコ、それでいて神経質そうな表情だ。(あ)は昨日まで、このワンコがオーソンだと思っていたのだ。
 昨夜、注文した本が宅配された。同じ著者の本"A Good Dog"も含まれていた。この本の副題は、"The Story of Orson, Who Changed My Life"とある。今回はオーソンにスポットライトを当て、彼が著者の人生をどのように変えたかが紹介されているらしい。ワクワクしながら袋から本を取り出してビックリ。表紙の顔は前の本のとは全く違っていたのだ。
 ゲ、ルーシー、そっくり!!
 耳は垂れているけれど、鼻先が尖っている。顔のブレーズは狭く鼻先からチョロリと額に延びている。目は黒目がち。おまけに眩しそうに目を細めたような笑い方がソックリなのだ。
 まだ本の初めの部分しか見ていないが、オーソンはスクールバスにハーディングを仕掛け、著者とともに近所を走り回ってパトカーの追跡から逃げていた。なんとか友人の家に逃げ込んで、友人の車に息を潜めて隠れ自宅に戻る。・・・初めからトバすなぁ。
 前の本を読んだ時は、確かに(あ)は著者に共感していたのだ。その一方で、表紙の写真を見て「大変ね〜」と思っていて、無意識にルーシーとの表面上の違いを確認した上で、深層では「でもウチのじゃなくて良かった〜」と思っていたのだろう。
 まさかコイツ、血がつながってないだろうねぇ。今では他人事とは思えません。うちもDr. キンブルみたいに逃げ回ることになるのかしら?

http://www.katz-dogs.com/
 
オーソン

A Good Dog: The Story of Orson, Who Changed My Life

A Good Dog: The Story of Orson, Who Changed My Life

ルーシー
 
逃亡者 [VHS] 逃亡者 [DVD] Dr. キンブル