どこまで歩けるか

 ここ数日、普段とは違う運動をすることになった。週末は(た)が自転車でルーシーを走らせ、平日は(あ)が長い歩き中心の散歩をさせている。
 一番の理由は股関節の問題。動物病院で、他のワンちゃんとの追い駆けっこやフリスビーが股関節に負担をかけるとアドバイスを受け、それでは「これら以外の運動方法で我々二人が実行できるものはあるのだろうか?」という疑問が浮かんだからだ。
 もちろん、追い駆けっこやフリスビーを直ぐに全面禁止にするつもりはない。しかし将来、全面禁止を余儀なくされ、慌てて他の運動方法を考えるよりは、それぞれの選択肢について実行できるかどうかを確認しておいた方が良いかと思ったのだ。(あ)の場合は、「長時間歩くことでルーシーが満足するか」を確認することが課題だ。
 結論:長時間歩くだけの散歩は難しい
 昨日の夕方、休憩を入れながら2時間歩いたけれど、帰宅後ルーシーは物足りないらしく、独りでガウガウ言いながら尻尾を追いかけていた。体そのものは、それなりに疲れた様子で、散歩の後はしばらく寝転がっていた。しかしながら、普段のように走っていないので、充足感に欠けるのだろう。おまけに散歩中は他のワンちゃんや飼い主さんとは会わなかったので、挨拶や甘えることも、ましてや、おやつをもらうこともできない。楽しみといえば、道路脇に生えている雑草を(あ)の目を盗んで食べることくらいか。
 一方、ルーシーにつきあった(あ)も、非常に疲れてしまい、翌朝は筋肉痛になった。散歩の途中で、いくつか小さな公園や空き地を通りかかったので、フリスビーを取り出し「ちゃんと持ってきて」とルーシーに言い聞かせて投げてやる。ルーシーは走らせて、その間に、こちらは休もうともくろんだのだ。フリスビーで走ったら、その分は歩く距離や時間も短縮できるかも。ところがルーシーは最初の2〜3投こそフリスビーを手元まで届けるが、すぐに自分のルールで遊ぼうとする。犬のルールに合わせてはいけないそうだからと、その時点で休憩を切り上げ歩き出す。1回の休憩は、なんと3分程度。全く休憩になっていない。で、二時間歩かざるを得なくなった。こんな散歩を毎日2回なんて、とても無理だ!!
 ところが今朝F公園を通ったら、偶然ラブのリキ君に出会った。リキ君は両目が白内障に罹り、大好きだったフリスビーもボール遊びもできなくなり、走り回ることもできなくなった。独りで歩けば、電信柱や看板に頭をぶつけてしまうこともしばしばだとか。それでも9歳という年齢の割に、若々しい元気な姿だ。飼い主さんは、リキ君のために毎日朝2時間、夕方1時間、歩くだけの散歩をしていらっしゃるという。
 (あ)が毎日3時間の散歩と聞いて驚き「そのおかげでリキ君が若々しいのね」と言うと、飼い主さんは「いやいや、そうしないと疲れて寝てくれないからねぇ」と笑っておられた。ちょっと一日2時間歩いたくらいで、疲れたなぞと言っておれないのだろうな。
 それはさておき。ルーシー、頼むからフリスビーを持ってきてよ。お母さんは限界だよ。