オーソン2

 2日前、ようやく"A Good Dog"を読み終えた。このブログでは、先月サワリの部分だけを読んで、オーソンがルーシーと顔が非常に似ていることと、オーソンの問題児ぶりを紹介した。 
 オーソンは、著者の元に来るまで飼い主が転々と変わり、心に傷を負った成犬だった。当時、著者はニュージャージーの住宅地に住んでおり、犬を飼っていた経験やノウハウを導入して、オーソンを新しい環境に慣らそうとするが、大半の試みが失敗する。オーソンは、フェンスの下を掘って脱走し、スケートボードに乗った子供を追いかけ、スクールバスにハーディングを仕掛ける。他人の裏庭に飛び込んで犬や猫を追いかけ、バーベキューの肉を横取りする。リードを着用して、歩道をまともに真っ直ぐ歩くことすら難しい犬だった。
 それでも、オーソンは著者の指示に従うようになる−自分に都合の良いときや、他にやらなければならないことがない場合だけ。「服従」という言葉は、飼い主にとってだけ重要であって、自分には関係ないと思っている。何か関心を引くものを見たら、次の瞬間には飛び出していく。飼い主が対処するヒマはない。忙しいニュージャージーの都会は、オーソンが住める環境ではなかったのだ。著者はオーソンと「お互いに、お互いが理解できないとあきらめないこと。理解するために出来る限りの努力をすること」という契約を交わし、田舎の牧場を買い、そこに住むことになる。
 本物の羊でハーディングを習いストレスを発散し、スクールバスのいない田舎暮らしを始め、少しずつ落ち着いてきたオーソンだが、問題はすべて解決した訳ではなかった。牧羊犬として一人前ではなかったため、その仕事を他のボーダーコリーに任せ、オーソンはもっぱら飼い主を守ろうとする。ところがオーソンは、使命を果たそうという一念なのか、牧場を訪れる人々を威嚇し、時に極度の興奮状態に陥り手がつけられなくなる。著者は牧場を購入する以外にも、鍼治療やアニマル・コミュニケーターなど、様々な方法でオーソンの心を知ろうと努力する。そんな時、著者はある事件により、大きな選択を迫られることになる。
 物語の結末は−ここでは書かないことにする。(ちなみに、私は大泣きしました)その代わり、映画製作について著者ジョン・カッツがテレビのインタビューで話していたことを紹介したい。
 映画の撮影は、著者の牧場で現在進行中。オーソン役を6頭のボーダーコリーが務めるそうだ。これらのボーダーコリーは、撮影の前にカラーのコンタクト・レンズを装着し、エクステンションを付けメイキャップをする。そして著者による「ストーリー・タイム(お話の時間)」。ストーリー・タイムでは、著者がオーソンについて語るらしい。話を聞く側の「役者」たちは、非常にやる気のあるワンちゃん達だそうで、一生懸命に著者の話に耳を傾けているそうだ。
 映画は来年公開予定。乞うご期待!

A Good Dog: The Story of Orson, Who Changed My Life

A Good Dog: The Story of Orson, Who Changed My Life