あれから(散歩編)

 先週から(あ)は散歩のパターンを少し変更することにした。一回1時間15分から30分の散歩につき、ただ歩くだけの時間は全体の80〜90%で、残りはフリスビー、シツケ教室で習ったことのおさらい、または取っ組み合い+追い駆けっこというパターン。去年の夏から秋にかけては、特に夕方の散歩で、他のワンちゃんとの取っ組み合い+追い駆けっこが占める割合は70〜80%だったから、随分と内容は変わってきている。
 フリスビーは、手元まで持ってこない場合は即時終了。始める前に毎回「持ってこないと、おしまいだかんね」と言い聞かせるけれど、一回フリスビーを投げて手元まで持ってくるまでに、2〜3回は「ルーシー、ディスク持ってきて」と言わないとダメだ。フリスビーで消費するはずだったエネルギーは、即時終了の場合、歩きで解消しなければならないので、これは最初、非常にキツかった。散歩の時間が延びて2時間近くになることもしばしば。しかし最近になって「ディスクはお母さんの手元まで届けないと、終わりらしい」ということが、ルーシーにも分かってきたようで、少しずつ改善してきている。その一方で、捕らえた獲物はまず噛んで味わう主義らしく、フリスビーを捕まえた途端、地面に伏せてガジガジやるのがタマに傷である。なんでも良いから、早く持ってこいっちゅーの!
 前回のシツケ教室で、N先生から「ブログ見ました」と切り出され、ルーシーの今の状況を話してみた。先生によれば、鍵は「場所を問わず、シツケ教室で習ったことができるかどうか」だとのこと。ルーシーは公園では自由に遊べることが当たり前と思っているので、そんな場所でもシツケ教室で習ったことができれば、呼び戻しも見知らぬ人や物に吠える問題も飛びつきチュー(頭突き)も、解決できるという。
 確かに仰るとおりだ。ただし、先生のアドバイスには、その前提条件として「飼い主のリーダーシップを確立する」が抜けていて、本末転倒の感は否めない。他のワンちゃんの飼い主さんのアドバイスでは、ルーシーが飼い主をリーダーとして認めていないから、指示に従わないということだった。問題は、そこをどうしたら良いかってことなんだけどな・・・。
 朝の散歩の時間をずらして、誰もいない公園でルーシーとシツケ教室で習ったことをおさらいする。ルーシーは公園に来たら自由に遊べると思っているので不満げである。(あ)が「見て」と言っても、地面のニオイを嗅ぎ回り、周囲をキョロキョロ見て他のワンちゃんの姿を探す。我々の他には誰もいないのに、こちらに集中させるだけでも至難の業だ。コイツには、他のワンちゃんのように、飼い主の指示に従い褒められることが喜びになる日など未来永劫来ないかもしれない。おさらいばかりで自分が走れなかった場合には、帰り道で尻尾追いを始めてしまう。おさらいでは、ご褒美としてふんだんにフードを与えているけれど、走れなかったストレスは食べ物では解消できないらしい。おさらいの後は、何か走る遊びを考えないといけないかも。
 今でも他のワンちゃんとの取っ組み合い+追い駆けっこは、ルーシーが一番好きな遊びである。フラッシュ君の「頭皮マッサージ」を受けながら「やっぱコレやで」と大笑いしている。実際こうして遊んだ後は寝付きが全く違うから、疲労度も格段に違うのだろう。それでも回数としては激減して、3日に1回程度になってきた。取っ組み合い+追い駆けっこは、単に肉体的な疲労を与えるだけではなく、他のワンちゃんとのコミュニケーションの方法なのかも。時間や回数を制限して続けられたら最高なんだけど。こればっかりは相手のワンちゃんの都合もあるから、考えないといけない。
 本当に少しずつなのだが、ルーシーの日常にも変化が見え始めた。歩いている間は、リードをあまり引っ張らなくなり(あ)の左足近くに体を寄せるようになった。小枝の拾い食いは減ったが、路肩の雑草を食べるようになった。運動量が減ったためか、No.2の回数が一日4回から3回に減り、食べ物への執着がひどくなった。フリスビーをよく噛むようになり、これで遊んでいる間に自分たちに近づく人に吠えるようになった(フリスビーを盗られると思っているのか、(あ)を守ろうと思っているのかは不明)。
 歓迎すべき変化ばかりではないけれど、散歩中に(あ)の存在を意識するようになったのは確かだ。こちらとしては、意識することで指示に従ってくれるようになればと考えている。