木枯らし吹いて

 ひどい寝坊をしたので、歩きだけの散歩にする。ま、雨が降った後だし、そんな散歩でも良いでしょ?
 通学・通勤の人がいなくなった歩道で、ルーシーとかくれんぼをして遊ぶ。「お座り→待て」をさせて、木や植え込みの後ろに隠れ「OK、Come!」と指示を出して、ルーシーに自分を探させる。ルーシーは「待て」までは大丈夫なんだけど、どうやら(あ)が自分から離れていくと置いてかれると思うのか、無性に追いかけたくなるらしい。(あ)が離れていくうちにお尻が微妙に浮いてきて、隠れる前に追いかけてきたり、立ち上がってしまったり。(た)と二人で一緒にやる場合には、どちらかがリードを握っているから、きちんと座っていられるのにね。
 何回か失敗した後に、ようやく「我慢して座っていないとフードがもらないんだ」と分かったらしい。お尻の辺りでジリジリしながら待っている。そう、我慢、我慢だよ〜。いつOKの声がかかるかを緊張して待っている様子。 
 その瞬間、木枯らしが吹いて枯れ葉を舞い踊らせた。ピャー!周囲に突然の変化が起こったことで、驚いて立ち上がり、駆け回って枯れ葉を追いかけるルーシー。そうだった、もう木枯らしの季節だった。自転車やバイク、ジョギング中の人については、姿が見えた時点でこちらも準備が出来るし、ルーシーも去年からのトレーニングで追いかけないようになっている。しかし、風に舞う枯れ葉だけはどうしようもなかった。いつ風が吹くかは分からないから、対処や準備のしようもない。
 そういや先日の白黒ミーティングでも、夕方になって突然木枯らしがパラパラと枯れ葉を落としたら、リードで繋がれていた他のボーダー達が一瞬「ビクッ」と身をすくめていたなぁ。やっぱりアレは怖いのだろう、音といい、意識していなかった方向からモノが降ってくる訳だから。でも他のワンちゃん達は、次の瞬間「なんだ、枯れ葉か」と平静に戻っていたけど。
 ルーシーも枯れ葉の攻撃が怖かったようだ。ただし次の瞬間「なんだよ〜、驚かすなよ〜」と逆ギレして反撃していたけれど。枯れ葉にキレてどうする。