ジョリ

 我が家でルーシーが出入りする場所は、大概フローリングになっているので、肉球の間の毛が伸びると滑ってしまう。という訳で、1週間に一回程度、ハサミで手入れする。切るのが難しいのは、中指(?)のツメの裏側で肉球との間の毛と肉球肉球の間の毛。これらの場所には、意外とたくさんの毛が生えているし、毛質が柔らかいので、ハサミの刃を当てると寝てしまう。砂や石の粒が入り込まない程度に切ってやる必要がある。
 バリカンで手入れすることも考えたが、相手がヘタに動いてパッドを傷つけてもいけないので(あ)は、もっぱらハサミ派である。不思議なのは、ルーシーが後ろ足はあまり気にしていない様子なのに、右の前足だけは必死に足を伸ばして切らせまいとすることだ。足を捕まえて「ジョリ」と切ると、体をビクッと震わせる。なぜか右の前足だけには、非常に神経質なのだ。腕ひしぎで完全に足をとらまえて切ろうとすると、ルーシーは目を閉じて「見ないフリ」をする。小学生の予防注射かっちゅーの。今では(あ)がハサミを取り出すと、ルーシーは「私はいません」と言わんばかりに、廊下の隅に頭を突っ込んで出てこなくなった。
 秋になって、体中がますます「ボー」になってきたようだ。肉球の間の毛もフルスピードで伸びている気がする。肉球が寒いから毛も伸びるのだろうか?手入れが終わったルーシーを見ると、「ほ〜、怖かった〜」とばかりに前足をペロペロ舐めていた。