寝汗

 (あ)はベッドの上に備長炭シートを敷き、その上に敷き布団を敷いて寝ている。なぜシートを敷いているかというと、なかなか布団を屋外に干せない日が多いから、備長炭の吸湿性を利用しようと考えたからだ。できればシートも布団も天日で乾かしてやりたいが、日差しが弱く日照時間が短い季節には難しい。毎朝布団をめくってみると、シートには水滴が付いている。冬でも寝汗を結構かくものなのだなぁ。シートだけでも風にあてて乾かしてやろう。
 備長炭シートは、(あ)のように利用するために作られた訳ではない。本来は押入の中に入れて、湿気を調整するためのものだ。年末にホームセンターで吸湿マットを探したのだが、売り場には「おしっこシート」しか見あたらず「とりあえず、これでやってみよう」と押入用の備長炭シートを購入した次第だ。
 残念ながら押入の湿気よりも(あ)の寝汗の方が随分と多いようで、吸収しきれなかった水分はシートの上に水滴になって残っている。本来の使用方法とは違うんだから、文句は言えない。
 不思議なことに、このマットを敷くと布団に入った時に少しばかり暖かく感じる。(た)は備長炭の遠赤外線効果ではないかというのだが、マットは水を通さないつくりなので、その点は定かではない。
 一方、ルーシーは小さなクッションをクレートに敷いて寝ている。このクッションは年末セールの戦利品だが、クレートに入れてやったところ、ルーシーは非常に気に入ったらしく、眠くなると自分から進んでクレートに入るようになった。
 ところがルーシーも寝汗をかくらしく、朝クレートからクッションを取り出すと、プラスチックの床部分にあたっていたところが湿っている。ビッショリと濡れていることもあり、はじめは「さてはオネショをしたのでは?」と、あらぬ疑いをかけ容疑者をギト目で睨みつけてしまったほどだ。そんな時、ルーシーはといえば、普段の行状から「お母さん、私はオネショしてません。私を信じて」とは言えないらしく、「さぁ、おしっこしなくちゃ」と(あ)から目を逸らして洗面所に逃げ込んでいった。濡れていたのは床にあたる部分だけだったので、オネショ疑惑は直ぐに晴れたけどね。
 クッションのカバーはフェイク・ファーでできており、比較的短時間で乾くので、こまめに洗濯するようにしているが、今朝のように雨が降ると、そうもいかない。ルーシーにも備長炭シートを購入してやろうかしら?