ルーシーVS藤山直美

 気がついたら、我が家で一番のネボスケは、ルーシーになっていた。今朝も(た)が出勤の用意をしている間、ルーシーは洗面所のトイレシートでNo.1を済ませ、その後「もう一眠り」とクレートの中に戻ってしまったらしい。(あ)がリビングで掃除機をかけても、グーグー寝ていた。散歩の用意を済ませて声をかけたら、クレートの奥に居座ったまま「何か用?」とこちらを見ている。
 
 「ルーシー、散歩行かないの?」と声をかけたら、大あくびをして「う〜ん、どうしようかなぁ」と身震い一つ。誰のための散歩なんだか、時々分からなくなる。
 廊下を掃除するのに、とりあえずルーシーを玄関先のサークルに移動させる。ルーシーは「え〜、行かないといけないの?まだ寝たいのに〜」と、未練がましく時折クレートの方を振り返りながら歩く。ところがサークルに入った途端「言うこときいたから、おやつ頂戴」とビシッとお座りするのだ。一体、コイツの食欲はいつ目覚めたんだろうか?それどころか眠ったことはあるのか?
 (あ)が洗濯の準備だけ済ませて、リビングでジャケットを着ていると「芋たこなんきん」が始まった。(あ)が連続ドラマを見ることはあまりないのだが、なぜか藤山直美は見てしまう。自然と目が吸い寄せられてしまうのだ。無意識のうちに、用意する手が止まってしまっていたらしい。
 すると玄関先から「ワン!」と催促の声。む〜、なんだよ。さっきまで寝ていたクセに勝手なヤツだなぁ〜。お母さんに藤山直美を見せてくれよ〜。頼むよ〜。