食うな!3

 今朝のニュースを見て(あ)は戦慄した。摂津市の公園で劇薬を摂取した鳥や犬、猫が死んでいたというのである。
 数年前から、ある高齢の女性が野良猫用にお米などを毎日公園に置いていたらしい。昨日はこれに劇薬がかけられて、罪のない動物たちが犠牲になった。昨日ルーシーが近所の公園で拾い食いをしたばかりだったので、このニュースは(あ)にとって大きなショックだった。
 この事件で、子供に被害がなかったことは不幸中の幸いだ。手にふれた劇薬が子供の口に入ることは、容易に想像できるからだ。それでも、命が奪われたことに違いはない。
 この女性は、寒空に食べる物もない猫のために、エサを与えたつもりだったろう。動物に対する思いやりの気持ちから与えたはずの差し入れに、知らない間に毒が加えられていたことで、さぞかし立腹しているだろう。もちろん、劇薬を置いた犯人が一番悪いに決まっている。動物だろうが人間だろうが、命をもてあそぶ行為は許されない。
 その一方で、日本各地で鳥インフルエンザが問題になっている昨今、自分の日課だから、野良猫が待っているからと、自分で責任を持って猫を飼わず、与えたエサを最後まで始末することなく野良の動物を餌付けすることは、いかがなものだろうか?
 私たちが通う公園の中でも、時折、木陰に猫の餌が撒かれているようだ。猫の餌はドッグフードよりも良いニオイがするらしく、嗅覚の優れた犬が誘われて、これを食べてしまうことも多いと聞く。
 もちろん飼い犬が拾い食いをしないように、飼い主が充分に目配り、気配りをすることが大切なのだ。(はい、自覚してます)それでも、やはり野性や野良の動物に餌だけを与えるのは「思いやり」ではないと思う。本当に思いやりがあるのなら、その動物を飼うことが法律で禁じられていないのであれば、中途半端なやり方ではなく自宅できちんと飼うべきだ。 
 (あ)は犯人の肩を持つつもりは毛頭無いが、人間が「動物のために」と思ってやることは、必ずしも相手のためになっていないことが多いと思う。もう一度、自分たちのやっていることを見直すべきなのではないだろうか?