まいう〜!〜How Dogs Think

 最近ドッグダンスのことばかりなので、今日は本で発見したことを紹介したい。
 テレビでは「ワンちゃん、まっしぐら」的キャッチがついたドッグフードのCMが流されている。実際、犬は食べるのが好きだが、味わうことについては、人間ほど重要とは考えていないようだ。犬にとって味覚が存在する第一の理由は、自分が食べる物が安全かどうかを見極めることであり、サバイバルの道具だからだ。
 味蕾細胞の数は、人間が平均9,000個、犬が1,700個、猫は470個となっている。人間の基本的な味覚は、甘味・塩味・酸味・苦味の四種類だが、犬や猫には「肉味」という味覚も備わっているらしい。その代わり、犬は塩味に対する感受性が鈍い。肉の中にはナトリウムが含まれているので、人間ほど塩味を欲する必要がないからだろうという。猫は味蕾細胞が犬の4分の1程度しかないが「肉味」に対する感受性が非常に強い。猫にとって、動物や鳥、魚の肉以外のものを消化するのは難しいので、進化の途上で、肉に含まれる特定の物質に強く反応するようになったのだという。要するに、猫こそ肉食動物ということになる。
 犬の肉味センサーを作用させるのはグルタミン。人間にとっての旨味である。一般的な傾向として、犬は野菜よりも肉、ラム・鶏肉・馬肉よりも牛肉・豚肉が好きなのだそうだ。また、冷たい食事よりも、体温に近い温かい食事の方が好きだという。また、犬は猫よりも甘味に対する感覚が鋭いそうだ。犬はトマトやフルーツに含まれるフラネオールという物質に反応するらしい。
 おやつがもらえるとなると、ルーシーなどはヨダレを垂らして待っていることが多い。フローリングの床に点々とヨダレが落ちることもしばしばなのだが、よく見るとヨダレにも2種類あるようだ。
 一つはサラサラの水状。二つ目は粘液のようなベットリしたヨダレ。本によれば、犬は肉を食べるときベットリしたヨダレや唾を出し、野菜を食べる時は唾液はサラサラらしい。ルーシーはニオイで「どうやら(あ)は、アキレスをくれるらしいぞ」と感づくとベットリ・ヨダレを出し、「ブロッコリーの芯を囓らせてくれるらしい」と分かるとサラサラ・ヨダレを出す。犬は味覚でも嗅覚のサポートを受けていて、ニオイの刺激で唾液腺が活動するらしい。
 一方、犬が苦手とするのは酸味と苦味。人間にとってサッカリンは甘い味でしかないが、高濃度になると後味は若干苦くなる。少々の苦い後味でさえ、犬は苦手なのだそうだ。その傾向を利用して「ビ○ーアップル」等、噛み癖を矯正する商品が多く売り出されている。(アップルが付いているのは、そのせいなのだなぁ。しみじみ)
 ただしルーシーには、この商品もあまり効果がなかった。というのも何でも丸飲みすることが多く、舌の奥の方にある苦味センサーを素通りしてしまうかららしい。おかげで薬を飲ませるのは比較的簡単なのだけれども。
 味蕾細胞の寿命は表皮と同じように数日で、どんどん入れ替わる。老化に伴い味蕾細胞も減っていくので、食欲が落ちるワンちゃんも多いという。そんな時は、脂をフードに足したり、ぬるいお湯を少しドッグフードにかけてあげると良いという。嗅覚にも訴えることができ、食欲が回復することが多いらしい。ただし酸敗した脂肪は、犬にとっては酸っぱいらしいので、ご注意を。