小さなことからコツコツと

 土曜日のシツケ教室はダンス。振付も固まってきたのに、なんで「できてきたなぁ」って感じがないんだろう?マラソンで言うと、競技場が見えてきてからゴールまでが長いみたいな?(10キロ以上走ったことないクセに)本当に完成するんだろうか?
 原因は、ルーシーが、ひとつひとつの技をきちんとこなさないからだ。(あ)自身に余裕がなく、ひとつの技を指示どおり完了していないのに、次の動作をさせるためにおやつを与えてしまっている。手を抜いたクセにルーシーは、いちいち立ち止まって「ご褒美は?」とストライキを起こす。そして(あ)は、ルーシーのモチベーションを下げるのが怖くて、本来与えてはいけないご褒美を与えてしまっている。やっぱり、そこは厳しくしないといけないらしい。反省。 
 また、技の中に、ルーシーが内容をきちんと理解していないものがある。ラージ・サークルとターンバックだ。ラージ・サークルは、連続技になると小さくなってしまうし、ターン・バックはターンの位置があまりに(あ)に近すぎる。今回の授業では、先生にこの二点を重点的に指導していただく。
 まずラージ・サークルから。
 「ゴー」で正面に、次に「ライト」で右回りに走らせるのだが、ルーシーの場合「ゴー」で正面に出る距離が短い。連続技になると、特に短くなってしまう。ラージ・サークルの前後が(あ)の足元での技だからかもしれない。何回か「ゴー」だけ練習。ラージ・サークルに入る直前の技とつなげて練習。なんとかいけそうだ。
 コーンとおやつを円形に置いて、ルーシーにグルグル回らせる。教室だけでなく自宅の庭でもそうなのだが、向かって左側のコーンは外側をきれいに大きく回れるのに、右側についてはなぜかコーンの内側を通ってしまうことが多い。全体的におやつをコーンの外側に、そして左側よりも右側に多く置く。以前よりは、2周、3周と回るようになってきた。ただし顔を上げるようになった途端、コーンをなぎ倒したり、フローリングの部分で滑ってコケたりしていたけど。
 何周か続けて回らせていると、だんだんと円が小さくなってくる。その度に「もっとライト!」と声をかけて足を踏み出し、ジェスチャーを大きくして回らせる。本来、ハンドラーは円の中心にいて犬に近づかないようにしないといけないのだが、とりあえず、きちんと大きな円運動をさせることが先決だ。コーンの内側を通りそうになったら、駆け寄って押し出す。なかなかの重労働。汗が流れる。
 次に音楽をかけて同じ動作。ルーシーは音楽がかかると大笑いするけれど、動いている間は、あまりきちんと聴いていない。相変わらず同じテンポでテッテケテ〜。それでも「ん?コーンの外側を走れば良いのね」と分かってきたようだ。
 コーンの数を少しずつ減らす。体を押し出し、大きなゼスチャーで指示を出す。お、ちょっとずつ分かってきたかな?すでに30分以上が経過していた。最後に音楽をかけて振付を通してやってみる。頑張れ、ルーシー。
 ところが、曲に合わせて振付どおりにやってみると、ラージ・サークルは矯正練習以前の小さな円に。思わずA先生も「小っちゃ!」と大笑い。(あ)は思わず力が抜けて、床に崩れ落ちた。
誰が、そんなボケをかませと言ったんや!?
 まぁ、今回の授業で、小さなことからコツコツと積み上げていかないとダメだと分かった。ひとつの技をきっちりできるようにならないと、連続技になったらダレたかたちになってしまう。ルーシーの場合、曲に合わせて踊ることよりも、その方が大切なのかも。
 そう反省し、ようやく床から立ち上がると、ルーシーはきっちり先生の足元に座り「先生、ワタシ頑張ったよ。褒めて」と無言で要求していた。オマエ、エエ性格しとるやないけ。