おじさんとルーシー

 今朝はS公園へ。グラウンドには先日お世話になったおじさんが、一人壁に向かって投球練習中。

 今日もやはりおじさんは「ちょっと、そのボールを投げさせて」と仰る。先日ルーシーの紐付きボールを投げたところ、全部山なりのフライボールになってしまったのが許せなかったのか。でも今朝も調子は変わらず、おまけに三塁線方向のフェンス近くにボールが落ちて、おじさん慌てまくる(笑)。
「あちゃ〜、(フェンスの)向こう側に落ちたかなぁ」とおじさん。二人で雑草の中を探していると、後ろから「何を探してるの?」とルーシー。見ると足元に紐付きボール。「なんだよ〜。オマエがさっさと持ってこないから、ボールをなくしちゃったと思ったよ。」

 おじさんはフレンドリーなのに、ルーシーは一向に自分から近づこうとしない。おじさんが近づくと、なぜかルーシーは頭を下げ耳を平らにして一定の距離を置こうとする。遊んでいただくのは二回目なので、ルーシーも相手が自分に危害を与えないことを理解できているし、自分と遊んでくれるのだと思っているだろうけれど、自分からおじさんに甘えようとはしない。グラブが怖いのか、それとも壁にボールをぶつける音が怖いのか?それともルーシーの性格が変わりつつあるのか?

 ルーシーの『ストライクゾーン』は広い。人間は自分を可愛がるために存在すると思っているフシもある。下は人間の赤ちゃん。ミルクのニオイがするせいか男女ともに好きだし、それより好きなのはミルクのニオイのついたベビーカー。上については、女性は年齢を問わず大好きで、甘えさせてくれると見るや、リードをグイグイと引っ張って近づいていく。やはり女性特有の高い声を聞くと、自分は歓迎されているという気がするのだろう。
 男性は高齢者以外は好きだ。特に若いイケメン。30代〜40代の男性は、ガシガシと頭を撫でたり背中をポンポン叩いたりするので、ルーシーは「私が期待しているのと、ちょっと可愛がり方が違う」と思っているようだ。なお、ルーシーが知っている男性の高齢者は、手にゲートボールのスティック(というのかな?)を持ち、大声で話す、公園で出会う人たちや、ご近所で孫の手を引き「ほらほら、ワンワンだよ〜」と自分を遠巻きに見ているおじいさんだ。男性の高齢者は自分を可愛がってもらえない人と認識しているらしい。
 このおじさんは、スポーツをされているせいか、年齢よりも随分と若々しい。明日も「負けられない試合がある」そうだ。投球練習中、外野の壁を越えたボールを探しに行き「これ、咲いてたから」と百合の蕾を取ってきて下さった。
 あら、男性に花をプレゼントされるなんて何年ぶりかしら?あ、お母さんにじゃなくて、ルーシーにか?ゴメンゴメン。