入ってますか?

 大好きなヨーグルトを与えるとき、お座りで待たせておいて、わざと直ぐには食べられない場所に置く。例えば、自分が床に座り、足を延ばして壁に立てかけて橋をつくり、その向こう側に器を置くなど。正解は橋の上を飛ぶか、橋の下をくぐる。ところがOKと言われても、ルーシーは「で?」と座ったままだ。
 橋が落ちるのが怖いのかとも思ったが、そうではなさそうだ。というのも、ヨーグルトではなく、こちらの顔を見つめているからだ。どうもルーシーがグータラをこいて、考えないようにしているように見える。
 しばらく座っていたルーシーは「フンっ」と鼻息を出して、少しこちらににじり寄る。そして前足をこちらの手に置いて催促。それでも知らん顔を決め込んで「ルーシー、ヨーグルト要らないの?」と言うと、ルーシーは立ち上がって2,3歩バックして見せる。どうやら何か芸をしたら、もらえると思っているらしい。
 「ルーシー、違うよ」と言うと、ルーシーは急にゴロンをしてみたり、ベッグをしてみたり。「アレですか?コレですか?」と習った技を披露し始めた。確かに違うと言ったけれど、「違う技をしろ」ということではなくて「頭を使え」ということなんだけどなぁ。わからないかなぁ。
 橋の下に器を置いて、少しずつ向こう側に動かして見せる。「さぁ、どうしたら食べられるかなぁ?」と言ってみる。大ヒントだぞ、ほとんどカンニングなんだからな、コレ。
 ルーシーが橋の下に頭を突っ込んで、少しヨーグルトを舐めたところで「グッド」と声をかけ、同時に器を向こう側に少し移動させる。しかしお預けを食らったと思ったらしく、橋の下を行こうとはしない。お座りをして、こちらの顔を見つめるばかり。なんで頭を使わないかなぁ。本当に脳みそが入ってるのかしら?脳みそは使わないと意味がないんだよ。
 そんな実験をした後だったから、夕方ルイちゃんのパパさんに「ルーシー、オマエ、中に入ってるやろ」と言われて、驚いた。ルーシーのアホアホぶりを見られて、脳みそのことを言ってるのかと思ったら「オマエ、スヌーピーが中に入ってるやろ」だって。
 そういやスヌーピーは、飛びつきチューが得意だったなぁ。