土曜日のシツケ教室について書く。楽しい週末イベントで、危うく忘れてしまうところだった。
 前回は、新しいウィーブを習った。ハンドラーと犬の両方が後ろ方向に進むウィーブである。これはウィーブとしては三種類目で、一つ目はハンドラーと犬の両方が前に進むもの、二つ目はハンドラーは後退し、犬はハンドラーに向かい合うかたちで頭からハンドラーの足の間を抜けていくもの。ウッカリしていたが、一つ目も二つ目も、言葉のコマンドは両方とも「ウィーブ」としておけば良かったのに、二つ目を「バックウィーブ」と区別してしまっていた。それで、三つ目につけるコマンドに困り「リア・バック」としたのだが、これがちょっと問題アリ。思いの外すばやく動けるのだが、バックを強化したせいで、真っ直ぐに後ろに下がってしまい、なかなか足の間を抜けてくれない。要するに、足の間を縫うような動き、ウィーブにならないのだ。
 仕方がないので、両手にトリーツを持ち、自分の体から若干離したところに出して、手を斜め方向に動かして誘導する。先生に言われて気が付いたのだが、左手は上手く誘導できても、右手がヘタなので、ルーシーはこちらの足にオシリをぶつけるケースが多い。なんとか足の間を通したとしても、今の状態では、後ろに下がるルーシーの体を(あ)がまたいでいるだけ。もっと練習して、ウィーブらしい滑らかな動きに仕上げないとダメだ。
 次に今まで習った技で、ハンドシグナルを使わないように練習。夏の間、ルーシーは全く集中できなかったので、一回声でコマンドを出されても、これを認識して動き出すまでが非常に遅かった。二回言われてもボーっと見ているだけだった。そして発表会では、大音量で音楽が流れ、こちらの声が聞こえないかもしれないこと、グズグズしていたら音楽に置いてきぼりにされること、口で褒めながらコマンドを出すのが大変なことを考えて、ハンドシグナルも使っていた。それでも結果は散々だったけど。
 「ハンドシグナルに頼っていたら、飼い主さんも踊れませんよ〜」「姿勢を良く見せるのもダンスのうちですから」と先生。・・・って、私も踊れってことですか?
「ダンスは美しさを競う競技ですからね」私たちは、つい最近「田植えを脱出」したばかりなんですけどぉぉぉ。
 ルーシーと(あ)のことはともかく、ハンドラーが言葉だけでコマンドを出すようにする意味はあると思う。犬がハンドラーの手ではなく、顔に集中するからだ。顔に集中するということは、周囲の刺激を無視できているということだ(中には、青空ちゃんのように、こちらに流し目を送りながらダンスを踊れる余裕のある子もいるけれど)。そうなりゃ、一緒に盆踊りをすることだって夢ではないではないか!
 この練習で一番困るのは「ベッグ」だ。ルーシーは、「ベッグ」と「バック」の区別がヒジョ〜に怪しい。前回のプログラムでは、ハンドシグナル付きだったし、「ハンド→チェンジ」とくれば次は「ベッグ」と覚えていた。試しに単独技を言葉のコマンドだけでやらせてみると、案の定、混乱して「コレですか?アレですか?」と頼みもしないワイワイまでやって見せた。・・・前途多難。
 今回の授業では、新技としてクリープ(匍匐前進)を習った。犬を伏せさせ、片手にトリーツを持ち、もう一方の手でカラーを捕まえて体が起きないようにする。トリーツを持った手を鼻面から地面に平行に動かす。なんとかクリープらしき動きをするのだが、こちらが足を進めるとルーシーはお尻を上げてしまう。何回か続けていると、こちらの腰が痛くなってきてギブアップ。
 「これは、アンタが立った姿勢で言葉だけで指示を出して、ルーシーがクリープをできるようになるまで、長くかかりそうやな」と(た)。盆踊りへの道は遠いなぁ。