技と景色

 時間が経ちすぎて忘れそうなので、先週の教室について書く。(こちらの記憶力も低下して、今ではルーシーをアホとは呼べなくなってきた)
 今回の課題曲は、上手くできるところは、どんどんスピードが上がり、ダメなところはダメダメのまま。じゃあ「上手くできるところは大丈夫か?」と言われると、こちらがルーシーの動きに付いていけなかったり、音楽が余ってしまったり。結局、全体的にダメダメのままである。
 一番困るのは、曲の最初と最後。不得意な静止技が連続するのだが、一つが遅いと全体が遅くなる。先生も「誰がこんな構成にしたんでしょうかね?」と仰る。・・・モシモシ?貴女じゃないですか?
 ゴロン→ロール→ゴロンでは、伏せた状態から体を回転させ、伏せの状態に戻るように強化した。やってみて分かったのは、ゴロン(右回転)はともかく、ロール(左回転)が苦手で回転のスピードが遅いということだ。先生曰く「筋力が均一ではないからでしょう」とのこと。でも右の足で地面を蹴って回転するんじゃないの?ルーシーの場合、右が利き足だと思ったんだけどな。ま、そんな理屈を考えるより、練習しないとね。
 最後の静止技で、ハンドとチェンジ(お手、おかわり)を入れることになっている。以前の課題曲のため、ハンドとチェンジは、向かい合わせで教えてきた。今回はツイテ(横並び)である。するとダメなんだな、コレが。向かい合わせだろうが、ツイテだろうが、同じ事をするんだけど、本人には、ものすごく違和感があるらしい。
 ちなみにハンドとチェンジの教え方は、こちらが出した手や足に合わせて、自分の前足を置くことから始まる。それができたら、こちらは手足を出さずにコマンドだけで、空中に前足を出させるようにする。
 ツイテでお座りをさせ、ハンド(右前足)をさせると、こちらの左のフクラハギを引っ掻くようにしてハンドをする。向かい合わせだと、空中に前足をホールドできるのに。そして問題はチェンジ(左前足)。引っ掻くことができないから、立ち上がって飛びついてくる。本人は「チェンジしてます〜!」と訴えているツモリ。チェンジになってないっつーの!!
 同じ技でも、位置が変わったらゼロから教えないといけないようだ。向かい合わせではできるんだから、ちょっと応用してくれたら良いのに。そしてハンドとチェンジだけではなく、ベッグもだということが判明。きちんと横並びさせても、わざわざ、お尻でズリズリと動いて斜めからこちらを見る。いつもと景色が違うと気持ちが悪いらしい。最終的には技のタイミングが遅れて、全部が遅れてしまう。
 これまで「できる」と思っていた技を、位置が変わっただけなのに、ゼロから教えないといけなくなった。ガックシである。一方ダンスの中では、スピンとターン(右回り、左回りに回ること)を教えても、実際には、ターンの方が圧倒的に多い。ツイテで行進することが多いから、進行方向に向かって犬を回転させるとなると、左回りになる。サイドで行進しない限り、右回りで犬を回転させることは少ない。技によっては、特定の位置でしか使わないから、教えなくても良いものもありそうだ。
 待てよ。今、ルーシーにはクリープ(匍匐前進)を教えている。「先生、クリープをする時に最も一般的な位置は、ハンドラーが前で、犬が後ろでしょうか?」
 「逆のこともあるけど・・・。なんで、そんなこと訊くんですか?」
 「最も一般的な位置でクリープを教えた方が、後が楽できると思って」
 「そりゃ、ズルですよ〜!一つ一つ教えないとダメです!!」
 やっぱダメですか・・・。道のりは長いなぁ・・・・(タメイキ)