ドッグフードを触ったら、すぐ手を洗おう!

 米国の19の州では、2006年5月以来、犬用ドライフードが原因で人間がサルモネラ菌に感染するケースが報告されている。ペンシルベニア州で発生した3件を皮切りに、主に北東部で70件が報告されており、一番多いのがペンシルベニア29件、次いでニューヨーク9件、オハイオ7件と続き、アラバマや他の州でも感染が報告されているという。今のところ死者はないが、15名が血便の下痢、11名が入院治療を行っているという。
 サルモネラ菌に感染すると、12〜72時間内に下痢、発熱、腹痛が起こり、このような症状が4〜7日ほど続く。通常、抗生物質を投与すれば治る。ただし、高齢者や幼児、病中病後などで免疫力が落ちている人は、特に注意が必要である。実際、今回のケースでも感染者の40%が幼児だという。
 ペンシルベニアにあるMars Petcare社の工場で作られたドライフードが原因と見られており、同社はこれまでに25のブランドのうち、2つのブランドをリコール。(同社のHPによれば、Krasdale Gravyドライフード5ポンド袋、Red Flannel大型犬種成犬用フォーミュラ50ポンド袋)7月から11月の間、業務を停止し、洗浄・殺菌作業したという。しかし、リコールされたブランドでは、人間にサルモネラ菌が感染したケースは報告されていないという。
 「ドライフードの中に動物性の物が含まれている場合は、サルモネラ菌に感染する可能性は否定できない」と、米国の専門家は語る。日常生活で人間が菌に感染する場合、原因は卵や鶏肉というのが主要な原因だ。ドライだからといって、滅菌されていると思わない方が良さそうだ。
 米国の専門家は
 「犬用と言わず、ペットフードを触ったら、すぐに手を洗うこと」
  「5歳以下の子供には、ペットフードを触らせない、手の届かない場所に保管すること」
 を呼びかけている。

 残念ながら、日本で生産されているペットフードに関しては、今のところ情報がない。工場の衛生状態や管理がどうかという点を別にして、ペットフード、特にドッグフードは動物性の内容物が入っている可能性が非常に高いのだ。これから気温もぐんぐん上昇することを考えると、やはり手洗いには気をつけておいた方が良いと思う。