ピーター君の挑戦

 ピーターX君がダンスに初挑戦。ルーシーが習っているA先生にモデル授業をお願いした。
 相談を受けた当初、(あ)は「ピー太なら、ピーママがフリスビーを持って立っているだけで、グルグル回るだろうから、ラージ・サークルでも直ぐに完成すると思うよ」と言っていた。
 ラージ・サークルは、ハンドラーの周囲を大きく円を描きながら走る動きで、ハーディングの本能を持っているボーダーコリーには、比較的覚えやすい技である。ただし他の犬種では、そんな本能を持ち合わせていないことから、教えるのが難しいらしい。ちなみにルーシーはタヌキなので、覚えるのに時間がかかった上に、覚えた今でも円が小さいけど。
 試しにフリスビーを見せた途端、ピー太はハンドラーを全く見ることなく、視線はフリスビーにクギヅケ。その上テンションが高くなり過ぎて、コマンドは耳を素通り。ハンドラーに飛びついて、なんとかフリスビーをゲットしようと画策。フリスビーは、あくまで最後のご褒美にしなくちゃいけないということが分かった。


ピー太は女の子には紳士なのさ。

青空ちゃんによるアラウンドの模範演技。ハンドラーが中心で踊っていてもアラウンドの動作を続けます。

 今回のモデル授業は、まず青空ちゃんと先生のデモンストレーションから。「ダンスには、こんな技を使います」というのを披露。ピーター君、デモを見ているうちに「ボクもやる〜!ボクもできる〜!」と訴えだした。最初から、やる気満々である。

 という訳で、いきなりピー太が技を披露。8の字のウィーブから。

速っっ!!
 アジのスラロームの要領を活かして、動きは非常にスムーズ。これが音楽に合わせられたら、格好良いだろうなぁ〜!!
 次に先生による指導の下で、アラウンドとツイスト、ウィーブを練習。

 アラウンドは、ピーママさんが足を少しでも開くと、すかさずピー太が身体を押し込んでくる。よほどのスラ好きと見た(笑)。それでも、何回か練習をしていたら、とてもキレイに回れるようになった。


 次にツイスト。まずはハンドラーの正面でワンちゃんがくるりと回るように教える。先生が「犬には得意な方向がある」と仰っていたけれど、ピー太も右回りは大得意。左回りはハンドラーにとっても、左手で誘導しなければならないから、右利きの人間には誘導から練習しなければならない。利き腕ともう一方の腕では、手首の柔らかさも違う。誘導自体がすんなりと行かないことが多い。左手で誘導して、左手でトリーツを与えるのは練習が必要で、(あ)もなかなか上手くいかず、今でもしばしばトリーツを落としてしまう。

 次にウィーブ。スラ好きのピー太には、お茶の子さいさい。先生からも「速っ!」の声が上がる。
 全体的にピー太の動きが速いのは、頭のイメージがアジになっているからだと思う。アジはタイムレースだから、スピードが命だ。だから「突撃〜!」とフルスピードで突っ込んでいってしまうのだろう。それにしても、ピー太は最初から最後まで、やる気満々だった。ルーシーみたいに、途中で自分のスィッチを切ってしまうグータラとは違うなぁ。
 ピー太は、普段ディスクもアジの傍ら、オビの訓練も受けている。オビの訓練では、トリーツは一切使わず、スパイクチェーンを着用しているらしい。ダンスの授業のスタイルは、団体によって違うけれど、A先生達のやり方では、チェーンは使用禁止で、トリーツやオモチャを使って良いことになっている。だからピー太にとっては、根本から違う訳で、これはなかなか大変だったろう。
 ところが授業を傍で見学していると、上手く動いているではないか。トリックもひとつひとつ着実に覚えている様子。初めてなのに、かなり覚えが速く、動きも速い。「音楽に合わせて」というのは、ダンスでは最後の段階なので(と、少なくとも(あ)は考えている)、初めての挑戦では上出来だと思う。 
おまけ
 A先生、どうもありがとうございました!ピー太君の今後の活躍に期待!