ディスク遊びの教え方〜”DON’T SHOOT THE DOG!”

 我ながらシツコイかもしれない。だけど、この本は他の本とちょっと違うのだ。(その違いについては、また今度お話したいと思っている。)”DON’T SHOOT THE DOG!”に、ディスクの遊び方をどう教えるかが紹介されていた。

Don't Shoot the Dog!: The New Art of Teaching and Training

Don't Shoot the Dog!: The New Art of Teaching and Training

 飼い主さんの(ディスクで遊ぶ上で)飼い犬に対する不満は、
1)励ましたら、犬はディスクに飛びつこうとするし、ディスクをヒラヒラさせたら、取り上げようとするのに、いざ投げてみると、突っ立ったままで見送ってしまう。
2)ディスクを追いかけて捕まえても、決して持ってこない
 ディスク遊びを教える上で、二つの問題がある。一つは、犬に長距離でもディスクを追いかけるようshaping(動機付けをして、その動作を行うように仕向けること)しなければならない。二つ目は、この遊びには、いくつかの動作が連続していることだ。犬は、ディスクを1)追いかけ、2)捕まえ、次のスローのためにディスクを3)持ってくる。一つ一つの動作を個別に教えなければならず、また動作の連続の中で最後の「レトリーブ(持ってくる)」から教えなければならない。
 レトリーブを教えるのは、屋内等、非常に短い距離から始めても良い。古いソックスなど、くわえ易いものを使う。狩猟犬の犬種は、自発的にレトリーブするけれど、その他の犬種――たとえばブルドッグやボクサー――は、物を口から出して、ハンドラーに渡すように慎重にshapingしなければならない。彼らは、引っ張りっこが好きだからだ。
 犬が指示通りにレトリーブできるようになり、口から離すようになったら、ディスクを追いかけることを教える。まず、ディスクを顔の回りにヒラヒラさせて、犬をやる気にさせる。犬にディスクを与え取り戻す練習を何回か繰り返し、ディスクを返してきたら、これでもかと言わんばかりに褒めちぎる。次にディスクを手に一定の位置に保ち、犬にジャンプさせて捕まえさせて、ディスクを返させる。さらに、ディスクをポンと投げて、犬がこれを捕まえたら、大げさに褒める。犬がディスクの遊び方を一通り覚えたら、動作の連続の最初「追いかける」をshapingする。ハンドラーは自分から数フィート離れた空中にディスクをポンと投げる。こうして少しずつ距離を伸ばしていく。
 犬はディスクをキャッチしたら、次にレトリーブしなければならない。しかし、行動の連続の中で最後の動作については、成功した時に与えられる強化物が何であれ、最初に覚えさせているから、犬の頭の中では一番強化されている。ハンドラーが怠慢だと、犬は強化物(褒め言葉かもしれないし、もう一度ディスクを投げてもらうことかもしれない)を得ることができず、レトリーブ率が悪くなる。また犬は疲れすぎると、レトリーブの際の走る速度が遅くなり、途中でディスクを落としてしまう。そうなったら、練習はそこまで。切り上げてしまおう。
 ルーシーの場合は、あくまで「お気楽流」である。(あ)が相手だと、なかなかレトリーブしない。ところが「ハイ、じゃあ、おしまい」と言うと、必ず「まい」の部分で持ってくる。おちょくられているのだろうな。「レトリーブ」の指示が「おしまい」になる日も近いように思う。