ごくろーさん

 今朝、S田谷公園へ行ったところ、公園内にある池の側の歩道で、体長20センチ強ほどもあるカメに遭遇。遠くから見たら弁当箱(かなりのドカ弁だけど)に見えた。近寄ると、頭と前足が出ていてビックリ。「なんで、こんなところにカメが?ケガでもしているのかな?」と一歩踏み出したら、グィイイッとリードを引っ張られた。
 振り返ると、ルーシーが前足を思いっきり踏ん張っていた。「ルーシー、カメさんだよ。大丈夫だから」となだめてみるが、本人は踏ん張ったまま動かない。(あ)の「大丈夫だから」は、大丈夫でないことを経験で学んでいるから、この言葉を言えば言うほど効果がないのかも。
 「ルーシー、カメさんだよ。挨拶したら?」と、知らないワンちゃんに出会った時のように、静かに声を掛けてみる。するとルーシーは前足を踏ん張ったまま、ブルブルと首を横に振ったのである。その姿は「後生です。ご勘弁を〜」と言わんばかりだった。オマエは、時代劇に出てくる水飲み百姓か?
 元来ヘタレのワンコだったが、最近特に見知らぬ物や人に対して、拒否の態度を露わにするようになった。子犬の頃は何でも珍しく、興味に突き動かされて新しい物や人を調べずにはいられなかった。「コワイ。お母さん、守って。」と訴えることもなく、相手に怒られても「へへへ〜。怒られた〜。」と笑っているばかりだった。
 1歳半くらいから見知らぬ人や犬が苦手になった。「来るな!」と相手を威嚇するようになり、ルーシーの数少ない長所(人が大好き)が失われてしまったのではないかと哀しくなった。全く威嚇がなくなった訳ではないが、2歳半くらいから、それも少なくなってきた。その代わり「私は、いません」と気配を消すようになったのである。
 何も理由がないのに相手を威嚇するのも困るけれど、近づくのが子犬でも、目を合わせないで逃げ回るのは、いかがなものかと思う。あれだけ子犬時代に他のワンちゃんに「遊んで」攻撃をカマせといて「それはないやろ」とも思うし。
 ルーシーがグイグイとリードを引っ張り続け、(あ)がこんなことを考えている側で、カメさんはホームのせいか非常にリラックスしていた(元々、無表情だからパニックを起こしていても分からないけど)。ふと見ると、透明な液体が路面に流れている。お、おしっこしたの?
 呆れて見ていると、カメさんはゆっくりとUターンをして歩き出した。そしてノソノソと池の方向へと向かっていった。カメは用を足しに、わざわざ池から上がって来たのだろうか?池の周囲にはフェンスがあるし、歩道まで5メートルほど植え込みを渡ってこなければならない。用を足すだけなら植え込みで充分なのでは?これって、もしかしてマーキング?
 ルーシーがグイグイと引っ張り続けるので、その場を離れて公園を歩く。すると管理の担当者に偶然出会った。「あそこにカメがいたんですけど」と言うと、「あ〜、池から出てきたんでしょうねぇ。」と全く驚かない。・・・フツーなのか?
 この公園には、犬や猫も出入りするが、タヌキなどの野生動物も生息している。競争相手はかなり多いから、テリトリーを主張するにも大変な苦労を伴うのかも。