決め技

 講習会で技の分類について説明を受けた。構成を考える上で、レパートリーを大技・小技・決め技の三種類に分類しておくと良いと言われた。講師曰く「それぞれの定義は、個々のワンちゃんによって違うでしょうけれど」と前置きして「多くの場合、大技はジャンプやスタンディングの技」だという。
 ルーシーの場合、股関節の問題があるから、典型的な大技はできないし教えていない。唯一、他のワンちゃんと同じ定義で大技といえるのは、ラージ・サークルくらいだろうか。(ただし、時々小さくなってアラウンドと区別がつかなくなるけど)
 ルーシーの場合、大技は「ルーシー自身が場所を移動する技」とし、小技を「ルーシー自身が場所を移動しない技」と考えた。だから小技は、ハンドとチェンジとかベッグとか?これを基準にして分類したところ、本当にショボイことに気が付いた。
 さらにショボイのは、決め技である。通りがかったA先生に「決め技って何ですか?」と訊くと「観客におおおっと言わせる技です」。・・・本気で言ってるんですか(怒)?
 先生は、う〜んと考えて「ルーシーの場合は、ベッグとかバウとか、ピッと決まる技を選んだら良いんじゃないですか?」え、ベッグやバウが決め技なら、小技がなくなっちゃうよ〜。
 要するに、問題は小技・決め技の違いではなくて、全般的な技のレパートリー、特に静止技が少なすぎることにある。練習中のクロスが完成したら(既に三つ指になりつつあるが)、静止技が増えることになるけれど。
 ところがルーシーは、本当に静止技が下手なのだ。ベッグは、つい最近まで、スッポンみたいに首だけニョ〜と伸ばしてたし。一つの理由は、同じ姿勢を維持する筋力がないからだけど、簡単に言えば、「じっとしているのが苦手」なのだと思う。コマンドを出しても、すぐに自分で解除してしまうし。「あっ」とか「ちゃんと」とか見とがめられると、正しい姿勢に戻すけど、指摘されたことに罪悪感は全く感じていないらしく、「あぅぅぅ」と文句を言う。
 今度の授業で、先生に決め技、特に静止技について相談してみよう。ちなみに、今ルーシーができる決め技とは「イェ〜イ」の一つだけであり、この場合の決め技とは「確実に観客を笑わせる技」を意味する。