食欲の秋だから?

 最近のルーシーは、さらに食欲が増し、もはやデパ地下のオバサンを通り越して、まるで餓鬼のようだ。公園に行くと、いつもおやつをいただく方をマークしていて、その人が何やら他のワンちゃんに向かって屈んでいると見れば、ダッシュで近づいて最前列に陣取る。単に頭を撫でているだけで、早とちりもしばしばだ。
 他のワンちゃんの飼い主さんに「ルーシーは、食べ過ぎ」「ルーシーは、さっきあげたでしょ」と言われようが、何のその。相手が向きを変えたら、それに合わせて正面に移動してオスワリ。口の端からヨダレがタラタラ。もらえないと分かったら、飛びついてみたり。かなりシツコイ。
 こちらが手で追い払っても、無視してしまう。おやつにありついたら、ほとんど噛まずに急いで丸飲み。おかわりを狙っている。おかわりがないと分かると、地面をクンクン。落ちていないか、チェックを怠らない。もはや「食い意地が張っている」という段階ではない。本人にとっては、死活問題といわんばかりの真剣さである。
 (あ)が嘆くと、他の飼い主さん達は「食欲の秋だからね〜」と慰めて下さる。それでも、ガマンならんことがある。
 それは、ルーシーがヒッツキ虫を食べるようになったからだ。
 先日、公園の植え込みに頭を突っ込んでいたら、顔だけでなくエルビスにまでヒッツキ虫がびっしりとくっついた。ヒッツキ虫には何種類かあるけれど、この場合は、小さなウロコみたいなヤツである。
 なんとか体を押さえて頭のヒッツキ虫を取っていたら、本人は非常にエルビスが気になる様子。そのうち、エルビスにくっついたヒッツキ虫を歯でこそぎ取り始めた。取ったヒッツキ虫は、口から出すことはなく、食べていた。すると美味しかったのか、わざわざ伏せてヒッツキ虫をムシャムシャ。何が哀しくて、ヒッツキ虫なんか食べるんや〜!!
 ありがたいことに、ここ2週間ほどの間に、行きつけの公園は除草作業が行われ、ヒッツキ虫もなくなってきた。喜んでいたら、我が家の庭にヒッツキ虫が生えてしまった。どうやらルーシーがどこぞで拾った種が落ちていたらしい。庭でNo.2をすることはないので、消化した物ではないようだけど(笑)。