そんなんありか?!

 夕方、コーギーのクッキー君のお母さんに聞いた話である。
 ご近所に住む子供さんが、道を歩いていると、ミニチュア・ダックス2匹を連れた高齢の女性に出会った。女性が、子供さんに「ワンちゃんが欲しい?」と訊いたところ、子供さんは何も考えずに「欲しい」と答えた。すると、その女性は、なんと「ハイ」と一匹のワンちゃんを子供さんに渡したそうだ。
 子供さんは犬を家に連れて帰ったのだが、慌てたのはご家族である。犬を飼うかどうか等、考えたこともないから、受け入れ態勢はない。また、当のワンちゃんが何歳か、病気等を持っていないかも分からない。犬を飼い主さんに返すにしても、相手が誰か、どこに住んでいるのかも分からないのだという。
 クッキー君のお母さんに「ミニチュア・ダックスを2匹飼っている高齢の女性を知らないか?」と問い合わせがあり、(あ)も考えてみたものの、正直、そのような人物の心当たりがない。
 まず、我らのたまり場であるF公園に出入りする飼い主さんは、顔見知りが多い。その中で、ミニチュア・ダックスを多頭飼いされている飼い主さんに、高齢者はいない。また、ミニチュア・ダックスは人気のある犬種で、たくさん飼われているはずだが、公園まで運動に来られる方は、ほんの一部である。多くは自宅内か、近所を少々歩く程度のようだ。
 高齢者ということを考えると、あまり自宅から遠くまで出ることは考えられない。出会った場所が富○が丘だから、おそらく、その周辺か。ますます(あ)が知っている可能性は少ないなぁ。お心当たりのある方は、当方かクッキー君のお母さんにご連絡ください。
 ・・・にしても、だ。
 どんな事情があるにしろ、この高齢者は何を考えてるんだろう?子供に自分の飼い犬をポンと渡してしまうって、どういう神経だろう?相手が大人でもそうだけど、子供の目の前で命を簡単に扱う等、許されないと思う。
 高齢者が全員そうだとは思わないし偏見を持つ訳ではないが、自分の寂しさをまぎわらすためにペットを飼う人が多いように思う。小型犬なら飼えると思う人は多いらしいけど、小型犬の方が大型犬よりも寿命が長い。昔と違って獣医学も発達しているから、ますます寿命は長くなる。自分の方が犬よりも老化のスピードが速い場合、体力面で立場が逆転してしまい、手に負えなくなって捨てる人が多いのだという。
 今日のニュースでも、将棋の大先生が野良猫に餌を与え続け、周囲の人々に止めるように何回説得されても「自分は例外」というような事を言って無視し続け、損害賠償を請求されたという。
 この一件以外にも、高齢者が常識やルールを無視するのを目にすると、彼らは子供以上に精神的に子供なのではないかと思う。そんな大人の皮を被った子供が、命を扱っているのである。そう考えると、背筋が寒くなる。