4回目の雪

 今週は一日中晴れている日が少なくなり、空も曇りがち。雨が降ってきたと思ったら霰だったりする。毎年、クリスマス前後に1回は雪が積もる。この日の朝も、庭にうっすら雪。
 4回目の雪となると、ルーシーにとっても、もはや雪が珍しくはないらしい。昔は玄関のドアを出たところで、驚いて口を開けていたけど。舞う雪を捕まえようと、口をパクパクさせることも、キツネのように、雪の上を飛び跳ねて突っ込むこともなくなる。雪に覆われた公園を、一人で「ワンワワン」とかけ声をかけながら走ることもなくなった。かえって地面のニオイが嗅げないし、体が濡れるし、雪はメンドクサイものになってきたようだ。朝の排泄を終えると、座り込んで「帰ろうよ」と家に戻ろうとする。前日は、霰で散歩を切り上げて、大好きな人やワンコにも会えなかったから、寂しかったはずなのに。年をとったってことか? 
 夜は、早くリビングに入れろと騒ぐ。ホットカーペットが恋しいらしい。ルーシーは一日最後のNo.1を終えないと、リビングに入れないことにしている。一方、寒くなると水をあまり飲まないので、尿意がやってこない。廊下でロープの引っ張りっこをして、さんざん遊んでやらないと出ないことも多い。
 ようやくリビングに入ったら、ボールに見向きもせず、ホットカーペットへ。ゴロリと仰向けに寝る。ルーシーは背筋やお腹を撫でられるより、首回りと鎖骨(というのか?)あたりをマッサージされる方が好きだ。お腹ばかり撫でていると「ちゃうねん」と片方の前足で、こちらの手を止める。首回りをムニムニと揉んでやると、嬉しくて口を開ける。上げた片足の内側を心臓方向に向かって優しく揉んでやると、目を細める。それでも後ろ足近辺を触られると、体を固くする。弱点は自覚しているようだ。
 ホットカーペットの上で至福の一時を過ごしていると、急に体を起こす。カーペットに接していた面が熱くなってしまったらしい。(あ)に揉んでもらったり、自分でカーペットの周囲をゆっくり歩いたりして、熱くなった部分を冷ますと、また側に戻ってきて「揉んで〜」。
 ルーシーは、元来、体を触られるのがイヤだった。こちらが褒めるつもりで頭を撫でても、ルーシー本人は喜ばず「何するの?」と、こちらを見上げることが多かった。それが、自分から触ってくれと訴えることが多くなってきた。最近では、耳のマッサージも嫌がらなくなった。「少しは信頼してもらえるようになったかな?」と思う一方、「年をとったのかしら?」とも思う。
 そんなことを考えていると、ルーシーが怪訝な表情をして、こちらを見つめていた。人の表情を一生懸命読もうとしている。「大丈夫だよ」と声をかけ、頭から首筋を撫でる。ルーシーは目を細めて「ヘッ」と笑って見せた。
 今年が終わるまで、まだ少し時間はあるけれど、振り返ってみると、ルーシーは、すごく成長したと思う。成長といっても、体ではなく内面である。そりゃガマンできないし、逆ギレする(悪い癖は、簡単になくならないものだ)。でも、飼い主に対する意識が変わった気がする。遊んでいても、飼い主の声や場所が気になるようになった。呼べば、90%以上の確率で戻ってくる。知らないワンちゃんが近づいてきても「言わないよ」と、あらかじめ注意することで、吠えることなく、危機はかなり回避できるようになった。
 これも、アホアホ・ルーシーとヘッポコ飼い主を優しく見守って下さった皆さんのおかげだと思う。本当にありがとうございます!
 来年も成長できるかな?一緒に頑張ろうね、ルーシー。