3歳からの変化

相性の悪い犬と、少しでも仲良くなれないか――。またもや問題発生で頭が痛い。
 今日の夕方、いつもの公園の入り口で、見知らぬコーギーに出会う。その子は、ルーシーの姿を認めると地面に伏せた。こちらが近づくのをじっと待っている。毛色が、ルーシーと相性の悪いコーギーに似ていることに気が付き、一瞬ためらったが、逃げてばかりはいられない。「ルーシー、言わないよ」と注意して近づく。「要はコントロールだ。気合いで乗り切れ!」と自分に言い聞かせる。
 地面に伏せたコーギーは、とてもフレンドリーで良い子だった。それでもルーシーは、近づくにつれて、静かに低く唸り、相手を威嚇する。そこで近づくのを止め、もう一度注意を促す。すると今度は、(あ)の背後に回りコーギーと視線を合わそうとせず、逃げ回る。飼い主さんに事情を説明して謝り、その場を後にした。
 ルーシー自身、お友達にコーギーは多いのに、どうしたことだろう?相性の悪い子にだって、これまで全く接点がなく、噛まれたり実害を受けたりしたこともないのに、何が原因なのか?この先、見知らぬコーギー全員に、警戒心や嫌悪感を持ち続けるのだろうか?そう考えると、暗い気持ちになった。
 帰る頃になって、タービュレンのモニちゃんに出会う。飼い主さんはドッグトレーナーで、モニちゃんも非常に従順なワンちゃんである。普段から、ルーシーのことでアドバイスをいただくことが多い。思わずルーシーに対するグチが出てしまう。
 「犬は3歳を超えてからも変わるよ。特に♂はね。」モニちゃんも3歳を超えたあたりから、他の犬に対する態度が変わってきたそうだ。モニちゃんは女の子だけど気が強いらしく「♂に近いのかも」と笑われた。そしてモニちゃんの変化が、他のワンちゃんにも影響を与えるようになって、犬の力関係まで変化してきたとか。犬は、自分の支配力を競う生き物だ。多頭飼いの場合は、一匹の犬に起こった微妙な変化が、他のワンちゃんの態度にも影響を与えるらしい。
 「ルーシーちゃんの場合は、ニオイが原因じゃないかしら。」ニオイ?ルーシーがクサイの?
 「私ら人間には分からないけど、そのワンちゃんにとっては許せないニオイを発しているのよ。」「原因は生理的なものだから、やっぱり飼い主が努力して、なんとかなる問題じゃないね。フードでも何でもやって、しっかりルーシーに注目させて、ガウガウ言わせないようにしないとダメだと思うよ。」
 「犬が1歳になって、シツケ教室に通うのを止める飼い主さんは多いよね。でも、実際のところ、犬は3歳以降も変化するものなのよ。だから、私も『そんな早い時期に止めるのはどうかなぁ?』って思うのよ。」
 A先生から、コントロール強化についてアドバイスを受けたし頑張るつもりではいる。だけど、今後出会うかもしれないコーギーについては、どうしたら良いの?ルーシーに、コーギー限定集団見合いでもさせるべきか?
 やれやれ、頭痛の種は尽きないなぁ。