タイコ橋

 「F中前のタイコ橋」と呼んでいる。正式名称があるはずなんだけど、いつまで経っても覚えられない。覚えようという気がないからか、それとも、もはや脳みそがダメダメになってるか。つきつめるのがコワイ。
 雨が降ると走るのは無理なので、池巡りの散歩コースを歩くだけ。ルーシーが子犬の頃からの定番コースだ。一つ目の池から二つ目に向かう途中でタイコ橋が見えてくる。昔は、スロープをルーシーと一緒に走って上がったものだが、今では気力もございません。転けて骨を折っても、この年齢じゃ治癒は遅い。極力危険は避けるべきだと判断。ところが本人は、この橋が見えてくると今でも大興奮。リードを引っ張って、駆け上がろうとするので抑えるのが大変。
 確認した訳ではないけれど、ルーシーの頭の中では、どうも「ここは○○ができる場所」「あそこは△△ができる場所」と分類されている気がする。たとえば、ホームセンターや教室は「A先生に会える場所」だし、S田谷の遊歩道は「ニオイをクンクン嗅いで走れる場所」だ。その最たる例がF公園で「思いきり走れて、大好きな人に甘えて、おやつをねだって、お友達と遊んで、ワガママ放題できる場所」と分類されているのではないか?さしずめ、タイコ橋は「(あ)を引きずりながらダッシュできる場所」ということか?恐ろし〜。
 そこで一緒に走ったら、相手の思うつぼ。周囲に誰もいないのを確認して、スロープの下でルーシーを座らせて待たせる。

「私ゃ走りたいだけなのに、なんだかな〜」
 ルーシーを待たせておいて、自分が先にスロープを上がり、橋の向こうへ。向こうに着いたら大声で呼びかける。ルーシーも走れるし、(あ)は骨を折らなくて良いし、マテを練習できるし。一石?鳥の良いアイディアじゃないかね?
 煉瓦のスロープを上がりきると、橋自体はタイルに変わる。なぜか(あ)がタイル部分に足を踏み入れると、ルーシーは立ち上がってしまう。その場は動かないけど、オスワリを止めてしまうのだ。
 振り返って「ルーシー、オスワリ!」と声をかけるが、ルーシーは突っ立ったまま。結局、自分がスロープを下りて、もう一度指示を出してルーシーを座らせる。なんだよ〜、せっかく登ったのによ〜。

 今日は、TAKE2でなんとかクリア。ルーシー、早く覚えてね。お母さんは、何回も行き来するのがシンドイよ(笑)。