昨日見た夢

(あ)は夢を見ても、朝起きた途端に、するりと記憶から逃げていくことが多い。長い寝言をいったり、うなされたりしていることもあるらしいのだが、肝心の夢の内容を覚えていないから、どうしようもない。寝直しても夢の続きが見られる訳でもないし。嫌な夢は忘れるに限るけど、それでも時々「キョーレツ!」とか「傑作!」と思うものは記憶に残っていることもある。
 昨日見た夢は、市民課のデスクから始まる。(あ)はデスクに駆け込んで「ウチの犬が保護されてるって聞いて」と係員に訴えている。焦る(あ)に対して、係員は冷静。「それじゃ、この書類を書いて下さいね」と言いながら書類を出す。申請書とともに、もう一枚書類が。「犬の似顔絵をできるだけ正確に描いて下さい」とある。
 年齢とか犬種とか住所とか必要なデータは全て記入したのに、似顔絵が描けない。困った(あ)は「あの〜、似顔絵を描かないとダメですか?白黒でチビで、短足で、ガングロで、目が小さくて、ブレーズが細くて・・・。あの〜、見れば直ぐ分かるんですけど」と係員に訴える。
 すると係員は「あのね〜、お宅の犬・・・(書類を見て)ボーダーコリーですよね。ものすごく多いんですよ。だから、その中から探すのは大変だと思いますよ。」「今年からシステムが変わりましてね。描いていただいた似顔絵をスキャンして、データベースから同じ特徴の犬のデータを一旦抽出するんですよ。特徴が同じ犬を、コンピュータがチャチャチャッと選んで、飼い主さんに会わせる。だから絵が上手い下手って問題じゃないんですよ。間違いなく、出来るだけ早く飼い主さんにワンちゃんをお渡しするサービスなんです。」
 サービスの内容は分かる。だけどルーシーのブレーズは非対称で、どちらかが膨らんでるんだけど、どっちだったか思い出せない。
 頭を抱える(あ)に、係員は「それじゃ、ちょっと見てみます?」と声をかけ、ボーダーコリーが収容されている部屋に連れて行ってくれるという。部屋は二階らしく、階段を上がって見ると、ガラス張りの部屋がある。ガラスの向こうは、なんと緑の丘が広がり、いたるところに白黒の犬が点々・・・。遠くにいる犬は、姿が全く見えない。
 (あ)が「あの〜、中に入って名前を呼んだらダメですか?」と訊くと、係員は「すいません。人間の持っている病気が犬にうつってはいけないので、ダメなんです」という。「困った〜!!似顔絵なんか描けないよ〜!!!」と脂汗をかいているうちに目が覚めた。
 冷静になって考えたら、駆け込む先が間違っている。市民課じゃダメじゃん。保護施設に行ったことがないから、頭の中でそうなったんだろうけど。それに似顔絵からスキャンするって、CSIの見過ぎ?我ながら笑ってしまった。
 でも・・・似顔絵は練習しておいた方が良いかも(笑)。