迷い犬騒動、二度あることは三度ある

 チョー忙しい一日。今朝の散歩から家に帰る道すがら、帰った後の段取りを考えていた。「洗濯の後に、さっさと仕事を終わらせる。WBCは絶対昼までには終わらないから、そこからテレビ見ながら家事を片付ける。洗濯物とお布団を入れて、試合の結末が見えた時点で、ルーシーを車に乗せて走らせに行く。久しぶりにブログを書いて、夕ご飯を作って、お風呂に長く入って、サ○ンパスを貼って今日は早く寝る。ヨシ」
 そういう時に限って、段取りどおりには行かないものだ。
 ご近所の小学校に近づいたところで、チェーンの首輪をした黒ラブを発見。リードをしていないし、飼い主らしい人影もナシ。さては迷い犬か。
 相手は警戒しているらしく、声をかけられても一定の距離をおいて、こちらの様子を窺っている。今まで会った迷い犬は、やたらとフレンドリーな子が多かったけれど、この子は違うみたいだ。ルーシーが側にいるからだろうか?
 折しも幼稚園の登園時刻にあたり、子供達の姿がチラホラ。・・・マズイ。攻撃的な子でなくても一応大型犬だし、この子がどんな性格かも分からないし。放っておいて良いのか?
 通りかかったテリアと飼い主さんに声をかけ、迷い犬を見てもらったが、やはり知らないとのこと。携帯でご家族に連絡をとり訊いてもらったが、心当たりがないという。
 そうこうしていると、黒ラブも人間の視線を不審に思ったらしく、その場を立ち去ってしまった。テリアの飼い主さんにお礼を言って別れる。黒ラブが自分から去ってくれて、悪いけど正直なところ内心ほっとした。今日は時間の余裕がないし。
 実際、迷い犬とは中途半端にはつきあえないものだ。つきあうのなら、ある程度の結末が見えるところまで付き合わないと。幸いなことに(あ)が、これまで関わった迷い犬は、すべて飼い主さんの元に戻った。それでも、やっぱり時間はかかる。交通事故に遭わずに無事に家に戻れただけで良かったと思わなくちゃいけないんだろうけど、忙しい人には、とてもつきあいきれないだろうなと思う。黒ラブが自宅に戻ってくれたら・・・良いんだけど。
 ところが、我が家が見えてきた頃になって、またもや黒ラブが出没。それも比較的車が往来する通りである。
 これは放ってはおけない。(あ)は覚悟を決めた。ルーシーを玄関に入れ、リードとレバーを持って捕獲作戦。ところが相手は警戒心が強く、こちらに全く近づこうとしない。
 車が来ないか周囲に目を配り、グルグルと黒ラブを追い回していると、急に一軒の家に入っていく。黒ラブの自宅か?
 それでも確認しないといけない。ピンポンを押そうかと手を伸ばしたところ、玄関から年配の女性がバッグを手に出てこられた。
 「あの〜、失礼ですが、こちら黒ラブちゃんを飼っておられますか?」と訊いてみる。
 「ハイ、飼ってます。」と飼い主さん。
 事情を説明すると、飼い主さんは、急にペコペコと頭を下げられた。ゴミを出そうと、玄関を開けたら飛び出して行ってしまったらしい。どうやら今回が初犯ではなさそうだ。 そういう話はよく聞く。ウチだって、あり得る話だ。「自分が捕まると分かると、近づこうとしないんです。」飼い主さんでもそうなら、初対面の(あ)なら、なおさらだ。
 黒ラブとしては、見知らぬ怪しい人間に追い回され、恐怖のあまり放浪のチャンスをあきらめて自宅に戻ったらしい。もしかして、これってハーディング?結果オーライだけど、私って、そんなに怪しいかしら?ね、ルーシー。
 ま、迷い犬の帰宅では100%成功している。それだけで良しとしようか。