ガネーシャ様にお願い

(あ)の弟が、半年間インドに行くことになりました。あ、カレー食べ放題の旅行じゃありません。会社の研修です。
 文系だらけの家族の中で、唯一理系の道を進んだ弟は、コンピュータ企業に勤めています。会社はインドの同業者とアライアンスを組んでいて、人材交流の一環として社員を一定期間、交換しています。弟は、今年のお正月に帰省した際、研修のことを話していたけれど、何しろこの不景気ですから「今年はなくなる可能性大」とのこと。ところが、予想に反して、今年も研修はあるそうで。油断していたので、慌てて用意をしているそうです。
 母は「・・・インドって。大丈夫なの?」と訊いてきました。
 この「大丈夫なの?」には、いろんな意味が入っています。
・気候をはじめ、全く異なる環境で、弟はやっていけるのか?
地震などの天災はあるし、治安や政治不安がいっぱいのインドで、無事に働けるのか?
・インド人は、2桁の九九ができるほど数学のレベルが高いのに、そんな中で弟はやっていけるのか?
・弟は、英語がからきしダメなのに、どうやって周囲のインド人とコミュニケーションをとるのか?
 何しろ英語で話すのが嫌なばっかりに、大学の卒業旅行で中国へ行き、自分以外のメンバー全員が、お腹を壊して帰ってきたという逸話を持っている人ですからねぇ。どうだかねぇ。
 「心配なら見に行ってきたら?」と言うと、母は「絶対イヤ」と即答しました。4〜6月の気温は35〜40℃だし、蚊は多いし。年寄り向けの観光地ではなさそうですし。
 「代わりに行ってやろうか?」と言うと、「アンタ、代わってやって」だって。母は、子供の頃から弟を猫可愛がりしてましたから。それに私は、中国人に「Iさんは中国語こそできないが、中国でも十分やっていける」と太鼓判をもらってますからね→言われた本人は結構複雑な気分でしたよ(笑)。
 どんな場所でも行ってみないと分かりませんからねぇ。昔の職場の先輩は、いろんな国に駐在した経験があるのに、なぜかインドにはまってしまい、今では俳号を「印度」とされてます。昨日、弟は社長の激励を受けたそうですが、社長自身もインド出張中にお腹を壊し、エライ目に遭ったらしく「仕事は大事だが、ともかく体が一番」と言われたそうです。
 そんな訳で、安全祈願のためにガネーシャ様に再び登場していただきました。ガネーシャ様は、あらゆる障碍を取り除く商業と学問の神様だそうですから。
子犬の頃、ルーシーがあらゆる物を囓るので、頭にきた(あ)は「家まで囓りやがってバチアタリが。オマエにガネーシャ様をやるから囓ってみなさい。ガネーシャ様のタタリを受けるが良い」と、木像を与えたのでした。ところが、ルーシーは、ガネーシャ様だけは囓ろうとしなかったのです。これには少々驚きました。
 ガネーシャ様には、やっぱり何か力があるのだと思い直し、弟の無事を願って拝むことにしました。ガネーシャ様、弟のことをよろしくお願いします。