バリケードでもデリケート

 4歳になったというのに「おねしょ」ネタで引っ張るのもどうかと思うけど・・・(苦笑)。
 例の一件以来、ルーシーの水の摂取量が減った。「例の一件」とは、久しぶりにディスクで遊んだら、ルーシーは大興奮して水をガブ飲み。家に戻って昼寝をこいている間に、おねしょをしてしまったというヤツ。
 あの日以来、雨や曇りの日が多く気温が少し下がった。「シャンプー後、少なくとも1週間は綺麗な体でいて欲しい」という飼い主の貧乏性的な判断で、走らせないで歩く散歩に徹しているからかもしれない。しかし歩く散歩では、走らせる散歩よりも時間を30分近く延ばしている。運動量は変わらない気がするから、やはり気温が摂取量を左右するんだろう。
 夏以外の季節で歩きだけの散歩をする場合は、散歩中に水を飲ませることは少ない。その代わり、帰宅後直ぐに冷水を差し出す。家で寝ている時と違って、こういう時のルーシーは、普通の水でも美味しそうに飲む。(ちなみに、ヨーグルトのニオイがしない場合は、鼻でタメイキをついて知らん顔をすることが多い)ところが、例の一件以降、どうも水を飲む量をセーブしているようだ。
 例の一件で、ルーシーは周囲が水浸しになっているのを発見して(っつーか、コイツの仕業なんだけど)「なんじゃ、こりゃ〜!?」「お母さん、なんとかして!」と、例によって逆ギレしていた。排泄の失敗に関して、(あ)はルーシーに対して、叱ったり、文句を言ったりしない。ただでさえ屋内で用を足すのを避けようとする傾向が見られるので、これ以上、屋内での排泄にマイナスのイメージを持ってもらいたくないからだ。
 この時も水たまりの掃除をしている間、ルーシーの視線を感じたので「怒ってないから大丈夫だよ」と声をかけた。するとルーシーは、廊下で尻尾を追いかけガウガウ言い始めた。
 そんなルーシーにも、例の一件は、それなりにショックだったらしい。そうでなくとも「自分が失敗した」と思っているようだ。昨日の夕方、散歩後に水を美味しそうに飲んでいる途中で、急にピタリと止めて、しばらく容器を見つめていた。こちらは「大丈夫だよ。飲みなよ」と声をかけるが、ルーシーは容器にクルリと背を向けた。
 その姿を見ていたら、あるTVのCMに出てくるおじいさんを思い出した。大人用おむつのCMで、おじいさんは、孫娘の結婚式に出て欲しいと言われるのだが、過去の失敗がトラウマになり固辞している。最後には、おじいさんは、おむつのおかげで孫の晴れ姿を見ることができ、二人で感激のハグをするというもの。
 元より人間にとっては、プライドに関わるデリケートな問題と理解していたけれど、ルーシーのようなバリケードのようなヤツにとっても、デリケートな問題だったとは。ワンコの心理は深い。こんな尾籠な話だけど、ちょっと感心してしまった(笑)。