高齢者向けの犬種?

 海外のニュース・サイトで面白い話を見つけたので紹介したい。著者は最近ボーダーコリーの子犬を家に迎えた人である。どうやら、この記事はシリーズの2回目らしい。ヒマな時に1回目を探してみようかな?

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数年前ある老人ホームでの話をリサーチしていた時のことだ。ここは快適な場所であり、猫や犬たちも住んでいて、入所していた高齢者にすり寄って甘えていた。
 老人ホームを離れる時、スタッフの一人に、それまでペットのことで問題はなかったかと尋ねたところ、彼女は一度だけ問題が発生して、犬を施設から出すことになったと答えた。
 「おやおや、犬が誰かを噛んだんですか?」と尋ねると、彼女は「いえいえ、その犬はボーダーコリーだったんですが、アルツハイマーの患者さん達を集めて、一日中廊下を行ったり来たりしたもんですから」と答えた。
 ・・・まるで我が家のサディーである。サディーはその犬ではないけれど、生後3ヶ月にして、数世紀にわたり家畜相手の作業で培われた犬種がもち、サディーが受け継いでいるハーディングの遺伝子を発揮しているからだ。
 妻と私が家の中や庭を歩くと、サディーは必ず付いてくる。あまりにしつこいので、名前を「シャドー」にした方が良かったのではと言ったことがある。
 可哀想なのは、7歳になる同居猫のリビーである。一緒にいる時、サディーはリビーにつきまとう。リビーは怖がってはいないが、サディーが始終自分に注目していることにウンザリしている。
 ボーダーコリーの他の特性についても分かったことがある。「ニラミ」である。この犬種に関する文献によれば、ボーダーコリーのニラミには、家畜や羊を催眠術にかける威力があるのだという。これまたサディーのことのようだ。サディーは、つきまとっていない時、私達の目をじっと見つめて、次の動きを予想している。
 また文献によれば、ボーダーコリーには人間の注目、長時間にわたる毎日の運動そして仕事が必要だと言う。
 私は、我が家の1/3エーカーの敷地で羊を2,3匹飼おうと提案したところ、妻に却下された。そうすることで、サディーに仕事を与え、芝生の手入れをする必要がなくなるという一石二鳥のアイディアだったのだけど(→そういや私も「3億円が当たったら羊を飼ってやる」とルーシーに約束したんだっけ)。
 その代わり、他のアイディアが全部ダメなら、サディーを犬の幼稚園に連れて行き、次にアジリティの訓練を受けさせて、フープをくぐり抜け、ハシゴを上り、障害を飛び越え、フリスビーをキャッチできるようにすることにした。これをサディーの「仕事」にしようと。
 妻と私は幸運なことに、週40時間も働かなくて良くなったし、ペットの相手をするには若いカップルよりも時間的な余裕がある。私は70歳、妻は63歳ではあるが、二人とも活動的な方だし、エネルギッシュな若い犬につきあう忍耐力だってある。
 犬に関する本によれば、ボーダーコリーは、大半の高齢者が育てるべき犬種ではないと警告し、そして、もっと必要な運動量が少ない犬種を勧めている。
 ある本では、高齢な犬の飼い主にいくつかの選択肢を提示している。パグ、コッカースパニエル、ビーグル、シュナウザーシーズーポメラニアン、グレイハンドといったところ。サディーの排泄のため真夜中に屋外に出るため睡眠不足になってくると、この「高齢者向けの犬種」には心惹かれるものがある。
 その一方で、サディーのおかげで、私達はたくさん運動することになり瞬発力も少し向上した。度々サディーをダッシュで屋外に連れ出すことで、注意を怠ることなく、また体も動かせるようになった。また、長い自宅待機の後でなまってしまった腕は、サディーにボールを投げているうちに鍛えられた。朝夕の散歩では、サディーはリードを引っ張るので、腕や肩には筋肉がついた。
 またサディーは、リビーの母性を呼び起こした。リビーには、子供を作る前に避妊手術を施したのだが、時折サディーの体を舐めて毛繕いをする。その間、サディーは静かに立っていて、注意深く見守っている。毛繕いが終わると、リビーはサディーのお尻を叩いて追い払ってしまうけれど。結局、老猫にも少しは優しい心があるということか。