鬼の霍乱

(注)少々汚いお話なので、食事中の方は食事を終えられてから読んで下さい。

 金曜日の朝、ルーシーはしきりに庭の雑草を食べた。「ノー!」と注意されれば大抵の場合は止めるのだが、この日はなかなか止めようとしない。ルーシーに「じゃ、早く散歩に行って早くゴハンにしよう」と言いきかせて家を出た。途中で、しゃっくりのような声を出しゲボッと吐いた。黄色い泡のまじった胃液である。
 ルーシーには、時々こういう事がある。胃の調子が悪くて気分が悪い時は、制止されても雑草を食べずにはおられない。また、食欲が理由で食べる雑草と胃の調子が悪い時に食べる雑草は、種類が違う。ルーシーが美味しい(?)と思っている雑草はセイタカアワダチソウの若い葉だ。一方、調子が悪い時に食べる雑草は先が尖った葉が多い。このような葉は、胃に入ったらチクチク胃壁を刺激するらしく吐きやすくなる。「ウ〜、気持ち悪い〜。どうにかしなきゃ。」と焦っているので、こちらの制止は耳に入らない。胃を空にした後は、何事もなかったように遊び、食欲も旺盛だった。ただ一つ違っていたのは、さらに快便になったこと。それでも便の状態や内容に変化はない。「最近、屋外での運動量を増やしているからかなぁ?」と深く考えなかった。少しフードの量を増やしてみた。
 土曜日の朝、ルーシーをクレートから出したところ、クレートに敷いてあったマットに吐瀉物がついていた。黄色い胃液のようなものと未消化の植物とリンゴの破片。(た)はマットの吐瀉物を見て「これ、カレーじゃないか?」
 確かに前夜のメニューはカレーだったし、植物片はカレーに入っていたピーマンみたいにも見える。さすれば黄色い液体はターメリックの色ってか?それでも、夜な夜な台所に忍び込んでカレーを盗み食いしない限りは、ルーシーがカレーを食べるとは思えない。ニオイからして違う(一応匂ってみた)。いつもと違う様子は、疲れた様子だったし、いつも以上に快便(便の内容・状態共に問題なし)というくらい。
 日曜日の朝、またもやマットに吐瀉物が。トイレシーツにも吐いてしまった。トイレシーツの吐瀉物は、全体が透明で、中に赤いものが見えた。前の晩にイチゴも食べていたからイチゴの赤い表皮片にも見えたが、もしかしたら血痰かもしれない。(た)に病院に連れて行ってもらう。
 診断の結果は・・・胃炎。
 イチゴの赤い表皮片みたいなものは、やはり血だった。
 
 「最近ストレスになるような変化はなかったですか?」と訊かれたそうだ。
 →「ルーシーが?」ありえへん!思わず笑ってしまったヨ。
 運動量は増えているから、その面でのストレスはないと思う。ただ最近暑くなってきているから、今週から夕方の散歩をこれまでより遅くした。朝食から夕食までの時間が長くなった(でも、その間は大体寝ているだけだし、吐くことはない)。その反面、夕食から朝食までの時間は短くなっているはずだ。つまりハラペコが理由だとすると、夜間のハラペコ時間は減っているはずなのに、どうして吐いてしまうのだろう?
 N先生曰く、ルーシーは胃酸過多傾向になってきているとのこと。ハラペコの時間をできるだけ短くすべく食事を何回かに分けざるをえないようだ。体重は13.1キロと少し増えていた。フードを少しだけ増やしたからだろう。このレベルで、できるだけ小分けにして与えるようにする。液体の飲み薬と注射器をもらう。朝夕、食前投薬。あぁ〜、めんどくさいヤツめ〜!
 1日ほぼ安静状態で、投薬&小分けの食事方法に変えた。そして今朝−−−。
 またもやルーシーは吐いた。まだ血が少しだけ混じっていた。通常ルーシーには薬の効果は絶大で、投薬すれば、すぐに元気になるのだけれど、今回は、どうもまだ効果はないようだ。明日は病院が休みなので悩むところだが、とりあえず、もう2日ほど様子を見ようと思う。
 ルーシーがストレス性胃炎?鬼の霍乱ってこともある。頭から否定するのは止めて考えてみよう(爆)。